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ビクトリアピーク 喧騒と静けさと -香港

何でこんなに人が多いの?

香港に着いてホテルに入りひと息着いた後、ビクトリアピークからの夜景を見ようとトラム乗り場に行ってみると、恐ろしく長い行列が出来ていました。まだ日も暮れる前、夕方6時を回った頃でした。

とにかく並んでいると、前日までに乗車時間帯別のオンラインチケットを買っておけば少しは早く乗れたようだと気が付きましたが、後の祭りです。1時間ほど並んで最後は将棋倒しの危険すら感じつつ、やっと次のトラムに乗るとなったら、今度は押し合いへし合い。怖かったです。

山頂に着いて見下ろすと素晴らしい夜景が広がっていました。来て良かった。

食事を取るにも少し並んで、海老ワンタン麺と茹で野菜のオイスターソース掛けを食べました。香港にはお酒を出さないお店も多いそうで、そのお店もビールすら置いていませんでした。自分が日頃如何にお酒ばっかり飲んでるか、思い知りました。さて帰ろうかと思って外に出ると、そこには信じられない光景が広がっていました。

山頂の広場から延々とうねりつつ周辺の坂道まで続く、トラムを待つ人達の行列です。登りの行列など行列のうちには入らないと思うような凄まじい長さに絶望してしまいました。日付けが変わる前に乗れるだろうか。何時間待つのでしょう。

ダメ元でUberを呼べないかチャレンジしてみました。すると何と2回目ですぐに呼べたのです。それも12分で到着予定です。

向かいのレストランをピックアップ場所に指定して到着を待つ間、食事を終えた欧米人カップルが通り掛かりました。近所に住んでいるらしく二匹の犬を連れていて、歩いて帰るようです。広場からもはみ出し道なりに続く行列に驚きの声を上げています。男性の方がつぶやきました。
「マダムタッソーも今夜はサボってられないな。」
思わず吹き出しました。山頂には蝋人形館もあるんです。行きませんでしたけど。

しばらくするとピックアップ場所が臨時で駐禁にされていることに気がつきました。家族を迎えに来た車が当然のように切符を切られているのを見てハッとしたのです。ああ、この辺に並んで置かれてるコーンは駐禁ってことか。危なかった。駐禁場所を避けて数十メートル道なりに歩いて待っていると、すぐに車がやって来ました。

後はあっという間にホテルに到着です。

部屋に戻ってほっとしてBBCニュースを付けたら、この凄まじい混雑の理由が分かりました。日本のゴールデンウィーク期間は中国もメーデー休暇で、香港にも本土からの観光客が押し寄せていたようです。

Uberを呼んでいたのは私だけだったと思います。行列に並んでいたら一体いつホテルに帰れたでしょう。香港初日から人混みに圧倒された夜でした。

もちろん夜景は堪能出来ました。言葉にするのも野暮なほど、ただただ美しい闇と光がそこにありました。人混みも喧騒も別の世界の出来事かと思うほど、静かにそこにありました。

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