gâteaux apéritifs酒のつまみ〜肩を張らずにフランス110
先日、日本への土産で酒のつまみになるお菓子をたくさん持って行って不評を買った話をしました。あれだけ持って行ったのに結局あちらこちらにあげてしまったらしいんですよ。
酒についても以前「ワインとアルコール」の記事で話をしました。人間なんだから、下戸で体が受け付けないか、宗教の理由で頭が受け付けないかしない限り、酒は身近な嗜好品として欠かせない。「飲めるけど嫌い」という人は見たことがない。いるとしたら狸の皮をを被っているんで信用できないなぁ。
とまれ、「酒」といえば「つまみ」。相当お国柄が出るようです。
「酒に合うものだからしょっぱいものでしょ?」
どう思います?これ、正解?
飲む酒の種類や飲む時の状況(食前、食後)で変わるのでさっきの回答は不正解。特に食後に飲むのがコニャック(ブランデー)、上等のウイスキーやバーボンだとチョコレートなんかでもつまみになる。経験のない方はぜひ試してほしいです。コニャックとチョコレートのマリアージュ。最高!
ちなみにこのマリアージュという言葉。 « mariage »「結婚」です。何とかと何とかが絶妙にマッチする時に « Ça se marie bien! »と言います。何とも粋な表現だと思いませんか?いかにもフランス語!という感じがします。
今は酒とつまみの話。
「つまみ」なんだから概ね状況としては食前酒 « apéritif »としてテーブルに着く前になります。ワインよりもビールかスパークリングワイン。もしくはウイスキーもあるわけで、つまみはやはりしょっぱいものが大半です。
また余談ですが、食前酒としてワインを開けるとすると、やはり甘口か超甘口が多いです。ひょっとするとこの甘口ワインだけでつまみはいらないこともあります。 « anjou rosé »なんかはその筆頭でしょう。ジュース感覚ですね。
さて「つまみ」の筆頭はもちろん « chips »ポテトチップ。
いろんな風味があるのは日本と同じ。流石に醤油風味やだしの薄味はないです。この間、間違って「酢」味というのを買って酷い目にあいました。ブルターニュ地方では普通らしいこの風味。ワインビネガーの匂いが袋を開けた途端に広がる。好みも人様々。
« cacahuète »ピーナッツ、 « noix de cajou » カシューナッツ、« noix de pécan »ピーカンナッツ、 « noisette »ヘーゼルナッツといったナッツ系のものは日本と大差ないでしょう
日本で頻繁に見かける海鮮風味のもの。エビ、イカ、タコ、小魚、ワカメ味のつまみは、ないと思ったほうがいいです。裂かれた状態で売っているスルメなんかとてもじゃないけど見つからないです。臭いと言われて逃げられるのがオチです。ただしエビ味のせんべいは物珍しさもあってか受けがよかったです。
逆にチーズベースのものは実に種類が豊富です。当然と言えば当然ですね。フランスですよ?ワインとチーズの国ですよ?お菓子としてそのまま食べてもいいですが、基本は酒のつまみです。売り場の一角をかなり占めていますね。
それから « charcuterie »様々なサラミソーセージの類。そのままでもつまみですがお菓子にも加工されています。これが日本で受けなかったんですよ。 « chorizo »風味のビスケットなんかがダメでした。
こういうのもあります。
« canapé »。つまみと前菜の中間みたいなもの。一応食事のテーブルには出てこないので、つまみの一種でしょう。これは流石に日本にはないんじゃないかと思いますが。手間がかかっているようでそうでもない。それ用のパンも売っている。塗るかのっけるかで準備完了!こんなのがあるからお腹がいっぱいになってしまうんですよ。
« gâteaux »と言いながらかなり離れたものまで出てきてしまいました。
あるもので満足すればいいんですが、親しんだ日本の味はこんなところにも転がっています。旅行カバンがいっぱいになる理由の一つです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?