下地 ローレンス吉孝

「ハーフ」や海外ルーツの人々をテーマとした社会学者。 のんびりと投稿。人と会って話を聞…

下地 ローレンス吉孝

「ハーフ」や海外ルーツの人々をテーマとした社会学者。 のんびりと投稿。人と会って話を聞いたり、資料を調べたり。あわい、微妙、わかりずらいものに興味があります。 サイト「HAFU TALK」を共同運営。書籍:「混血」と「日本人」ーハーフ・ダブル・ミックスの社会史(青土社)を出版。

最近の記事

私の母は「戦争の落とし子」だった。

「戦争の落とし子」 そんな言い方ってあるだろうか…。 Goo辞書にはこう書いてある。 おとし‐ご【落(と)し子】 の解説 1.1 妻以外の女に生ませた子。落としだね。落胤 (らくいん) 。 1.2 大きな事件・事業などに付随して生じた物事。「戦争の落とし子」 https://dictionary.goo.ne.jp/word/落し子/ 戦後、日本の女性と米兵との間にうまれた子どもはメディアで「戦争の落とし子」と言われた。私の母も、戦後に生まれた混血児だった。 1

    • 国境を「超えない」

      何故だかこれまで、 「超える」ということばについて 考える事が多かった。 そのせいか、 先日、目にした小説家の温又柔(おん・ゆうじゅう)さんの記事がひどく心に残っている。 その記事は、 昨年末に東京国立近代美術館で開催されていた「アジアにめざめたらーアートが変わる、世界が変わる1960年代-1990年代」に際して、温さんと企画者側の鈴木勝雄さんとの対談の様子が書かれたものだ(記事はこちら:「国境を超えない」視点をかき乱す緩やかな往来ー小説家・温又柔に聞く)。 その中

      • 「答え」が得られる記事をつい求めてしまうこと

        ある人が言った。 「この記事は、テーマについて理路整然と情報を並べていて、あまり知られていない微細な点も調べている。その上で、現状の問題点を分かりやすく批判している。 でも、この記事には具体的な対応策が提示されていない。 問題があるのはわかるが、その解答が提示されていないのだ」 ウェブ記事や新聞やニュースを見ていて、こんな反応が聞かれる時がある。「答え」を教えてくれるハウトゥー本・指南本はよく売れるし、当然といえば当然の反応かもしれない。 そのテーマについて

        • 自分の中で何となく重なるところを(note、始めました)

          こんにちは。はじめまして! 下地 ローレンス吉孝と申します! 現在、前職を退職し、 語学の勉強と調査、 そして妹の新しく生まれた姪っ子に会いに米国へやってきました。 いままで、日本各所の資料館に行ったり、人にあって話を聞いたり、研究室に夜中まで閉じこもっていたりしながら、ひっそりと生活してきました。しかし、今年度は博論にようやく区切りがついた事との重なりで、発信しよう!、と思い立ち色々な活動を始めました! 始めた、というよりは、一つ何か動き始めたら、色々な人や活動やメデ

        私の母は「戦争の落とし子」だった。