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美術展

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美術展に行った感想、気になった作品や作家について書いています。
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記事一覧

旦那さんと <キュビスム展>

2023年10月に訪れた<キュビスム展>について前回投稿しました。 実はその2ヶ月後(2023年12月)に旦那さんが<キュビスム展>を観に行く!というので簡単な事前レクチャーを頼まれました。 それほど美術に興味がない旦那さん。美術展に無理やり誘って一緒に行っても「ゆっくり見てていいよ。わたしはあそこの椅子に座って待ってるから」と、やはり私とはペースが違います。結局 お互いに気を遣ってしまうので、最近はあまり一緒に美術館に出かけていません。 しかし2019年には私の知らないう

わたしと <キュビスム展>

2023年10月に<キュビスム展>(国立西洋美術館)を鑑賞。とても刺激を受けたので 「自分の言葉でしっかり記事にしたい!」 と意気込んで熟考を重ねておりました。 が、気がつけば2024年1月29日、なんと<東京展>は昨日で終わってしまいました。大変! 3月、京都市京セラ美術館に会場を移して開催されるということで <京都展>に間に合うように慌てて投稿しております。 今回はわたし独自の鑑賞法と、特にお気に入りのパートに絞って投稿したいと思います。 ********** 国立西

ゴッホの「学び」 と、ルノワール

SOMPO美術館で開催中の <ゴッホと静物画 展>。 このチラシ(ヘッダー写真)を見たとき、既視感を覚え「あれっ?またゴッホの静物画をやるんだぁ。」と思ったのです。 しかし、しかし。主催者のあいさつ文を読んで驚きました。 そうだったのですね。。。よく似たチラシを2019年〜2020年に見ていたのかもしれません。 一度白紙に戻したプロジェクトをまた一から調整し、実施にまで漕ぎ着けることがいかに大変か・・・この3年間、関係者のご苦労を考えると頭が下がる思いです。よくぞ開催してく

<モネ展> は自由に楽しむべし!

上野に立ち寄る用事があり、ちょうど2時間ほどの空き時間があったので <モネ展>に行こうかどうしようか、迷って迷って迷いました。 「行っておこうかな」。。。 どうしても行きたい美術展、というわけではなかったのですが、とても人気がある【印象派】の巨匠=クロード・モネの展示会。会期末は大変な混雑が予想されるので、チケットが入手できなくなる可能性もあります。今のうちに行かなければ後で後悔するかも知れない。 そしてとても心惹かれる宣伝フレーズ、  ◉ “60点以上の作品は100%がモ

アカデミックな絵画と 2023年

国立西洋美術館の常設展の中に、普段は版画や素描を展示している 少し暗い小部屋があります。そこに展示された “正統派” 画家・7人の24作品を展示した小企画展 <もうひとつの19世紀> 。 とても面白くて、大いに刺激を受けてきました。 +++++ 副題は「ブーグロー、ミレイと “アカデミーの画家たち”」。 この “アカデミーの画家たち(the Academic Painters)” とは、 正統的で堅実な教育を受け、伝統的・格式的な作品を描く画家たちのこと。 19世紀フラ

お帰りなさい! 岡本太郎さん

2022年7月から今年の3月まで大阪、東京、愛知で開催された<岡本太郎展>。 私も昨年11月に東京都美術館で鑑賞してきました。 noteに投稿して周囲の人にも「面白かった〜っ。パワーをもらえたよ!」とお勧めしていたら、旦那さんが「行きたかったなぁ」と。 あら、そうだったのね。一緒に行けばよかった。 ・・・と二人で残念がっていたら、川崎市の岡本太郎美術館で <凱旋!岡本太郎展> が開催されている!(2023年10月1日まで) と聞いたので、昨日 行って参りました。 *****

<テート美術館展> “光” と 鑑賞論

“光” を感じてこよう!と臨んだ、<テート美術館展 〜 LIGHT 光 〜> (国立新美術館にて2023年10月2日(月)まで開催中) とてもとても楽しむことができました。 *************** 展示室に入って最初に展示されている宗教画に少したじろいだのですが、壁にあるメッセージボードを読んで「なるほど」と。 ふと、今年2月に鑑賞した<ハイドン 『天地創造』>を思い出しました。 [第一日]   はじめに神は天と地をつくられた。   「光あれ」と命じて光を呼

<悪ものたち> と 【版画】 の魅力

国立西洋美術館・常設展の一室で開催されている小企画展、 <美術館の悪ものたち展> を観てきました。 数十点の【版画】作品と数点の絵画が並んでいます。 【版画】って、 ① 色を乗せていない作品が多いから、画面のどこに注目していいのか分かりにくいんですよ! ② 丁寧に説明してくれないと、何を描いた題材なのか分からないんですよ! という私の声を聞いてくれたのでしょうか⁈(そんな訳はないのですが)。 ① 作品に潜む「悪もの」に注目してください! ② おなじみの題材をいくつか並べて

【挿絵】の世界へようこそ!

来月 7月4日(火)から国立西洋美術館で開催される <スペインのイメージ展 〜版画を通じて写し伝わるすがた〜>。 【版画】の良さはよくわからない!と公言している私は「うーーーん、版画かぁ・・・」と思っていたのですが、楽しみにしていることがあります。 それはスペインが誇る騎士道小説『ドン・キホーテ』(ミゲル・デ・セルバンテス著)の【挿絵】作品群です。 ++++++++++ 2022年10月に訪れた<日本の中のマネ展>で、あのマネが【挿絵】を描いていたことを知りました。 帰

唯一無二。 北斎の[肉筆画]

日本美術と少し距離を置いている(=まだよく理解できていない)ため、日本画の美術展にはあまり足を運んでいません。それでも、ハッと息をのむ作品に出会うと「これこれっ!これぞ日本の美!」(←よくわからないくせに^^;)と嬉しくなるのです。 日本橋高島屋で開催されていた(5月15日で終了) <琳派、若冲、ときめきの日本美術>展 のチケットをいただいたので「琳派が大好き!」と公言する姉を誘って久しぶりの日本橋へGO! 細見美術館という京都にある美術館の開館25周年を記念して開催された

三つの<ブルターニュ> Partie 2

同じ日に鑑賞した二つのブルターニュ展、 [A]SOMPO美術館<ブルターニュの光と風>(以下、<SOMPOブルターニュ展>と表記)と [B]国立西洋美術館<憧憬の地 ブルターニュ>(以下、<西美ブルターニュ展>と表記) について前回投稿しました。 異なった文脈から同じテーマを鑑賞することで、考えさせられることも多かったのです。 午前中に訪れた<SOMPOブルターニュ展>の会場で、解説パネルに見つけたフレーズ、 「“ステレオタイプのブルターニュ人” を画家たちは描いた」。 こ

三つの <ブルターニュ> Partie 1

二つのブルターニュ展に行ってきました! 午前中…[A]SOMPO美術館 <ブルターニュの光と風>展 (以下、<SOMPO ブルターニュ展>と省略) 午後…[B]国立西洋美術館 <憧憬の地 ブルターニュ>展 (以下、<西美 ブルターニュ展>と省略) フランス北西部、大西洋に突き出た半島を中心とするブルターニュ地方。そこに旅行・滞在し、または移り住んだ画家たちと、ブルターニュ地方を描いた作品群を取り上げた二つの展示会です。 聞くところによると、二つの美術館は申し合わせをしたわ

二つの <マティス展>

約1ヶ月、note から離れていました。 以前(2ヶ月前まで)のように美術本や美術の資料を広げて 気ままに記事を投稿するのは、引っ越し後の新しい生活が落ち着いてから!と決めていたから。 しかし、引っ越しから2週間経った現在も 家の中は全く落ち着いていません(涙)。いつの間にか3月を迎えたのですね。 今朝 電車の中で、フォローしている美術館のInstagramをチェックしました。 おっ!。今日からオランジェリー美術館(パリ)でアンリ・マティスの美術展が始まるのですね。 これ

アンディ・ウォーホル展へのお誘い

お世話になった先生からメールが届きました。 ドキュメンタリストとして活躍されているその方が、昨夏に世田谷から岐阜県高山市に拠点を移されたことを年賀状で知ったばかりだったので「あらっ、東京に出て来られるのかしら?」と思ったのですが、違いました。 ◉カーネギー財団・美術館長のキュレーションが素晴らしかった ◉ポップアートの旗手というよりも、繁栄の時代を駆け抜けた移民子孫の芸術家であるアンディ・ウォーホルを全身で感じることができる 「ぜひ、一見をお勧めします」という内容でした。