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<MUSEUM LUDWIG COLOGNE>

noteの投稿に苦労していた8月でしたが、ちょこちょこ美術展には足を運んでいました。
「20世紀絵画を知りたい!」スイッチを押してもらった私が選んだのは、
1️⃣ <ルートヴィヒ美術館展>〜20世紀美術の軌跡〜
2️⃣ <スイス プチ・パレ美術館展>〜印象派からエコール・ド・パリへ〜。
とても興味深く鑑賞してきました!

まずは、1️⃣ <ルートヴィヒ美術館展>(国立新美術館)について。
今回は図録も購入せず あまり復習をしていないため、根拠の薄い単なる感想を述べています。お許しくださいませ。

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実は。
展示作品の4分の3ほどはよく理解できませんでした(涙)。
抽象画、ポップ・アート、前衛芸術、拡張する美術…に、「おーーっ!」「ふーーん」「あらま」と言葉にならない感想を述べるだけ。

<ルートヴィヒ美術館展>HPの画像より
(乱暴な切り貼りをお許しください)

「この画家知ってる!」「画集で見たことがある!」「これ、好き!」と小学生のような感想を持って、小学生のようにはしゃいできました。
全然成長できていない(涙)。
いえいえ。まだ20世紀絵画に興味が湧いてきたばかりなのです。そんなに焦ってはダメですね。

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しかし、これまで少しでも興味を持って、ちょっとだけ資料を読みかじり、noteで投稿したことがある画家の作品には、「おっ!」と足を止めてじっくり味わうことができるようになりました。

第1章【ドイツ・モダニズム 〜新たな芸術表現を求めて〜】から。
あっ、フランツ・マルクだ!

画像1
フランツ・マルク『牛』1913年

精神的な尊さを完全に表現するために、主題は必要最小限までに単純化するマルクは、色彩にも明確な象徴性を持たせていたそうです。
じっとしている青い「オス」の牛。右端にいる黄色い「メス」の牛が赤い「化身」となって、命を吹き込もうとしているのかしら…などと知ったかぶりしながらマルクの作品を楽しんできました(←注:個人的な想像です)。
自らの魂を動物たちに投影していたとも言われるマルクは 36歳の若さ、道半ばで戦死しました。マルクの作品は美しくも儚いのです。この作品、好きです!

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そのマルクと【青騎士】で抽象化を推し進めていったのが、ワシリー・カンディンスキー。

画像2
ワリシー・カンディンスキー『白いストローク』1920年

このカンディンスキー、ちょっと “ボヤ〜ん” っとしている印象です。これまで見てきた作品のように、完成された迷いのないメロディは聞こえてきません。
作曲途中の楽譜?、練習中のオーケストラ?のようです。いや、雑多な食材を無理やり盛り付けようとしている料理のようにも見えてきました(笑)。
近づいてよく見ると、粗い目のカンヴァスに、こすれてボヤけたような油彩が見て取れます。バウハウスで教鞭を取る以前のカンディンスキーは、悩み迷い、何かと闘っていたのかも知れません。
そういえばわたし。一時期のほんの数点のカンディンスキー作品しか観ていません。まだまだ、道は長いのです。

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そして<自然と人のダイアローグ展>第3章・B面の記事でも書きましたが、圧倒的な魅力に脳天を撃ち抜かれたのがパウル・クレー。

画像3
パウル・クレー『陶酔の道化師』1929年

この記事を書きながらも、ひと筆で表現された道化師の自由な輪郭を画像上で辿ってみました。
クレーがカンヴァス上に走らせる線描は滑らかに、時には鋭い。鉛筆の動きに任せているようで実は計算されているのでしょう。描かれていく道化師に いつの間にか命が吹き込まれ、彼の意志で全体を完成させられていくような…なんとも不思議な気持ちになります。
まだ資料を読んだり画集を見たりしたことがないパウル・クレー。いつか しっかりと向き合いたいものです。

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カンディンスキーとクレーの間、すぐ前方のショーケースに座っていたのが『うずくまる老女』。

画像4
エルンスト・バルラハ『うずくまる老女』1933年

20世紀ドイツ表現主義の彫刻家、画家、劇作家・バルラハさん、初めまして。

思わず触りたくなるような滑らかな木から掘り出された老女は、単純なフォルムなのに人生の哀しみを全身で訴えかけています。お見事です!。
前から左から後ろから右から、また前から…。360°何度もグルグル周りながら鑑賞してきました。

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そして、第3章【ピカソとその周辺 〜色と形の解放〜】。
もちろん『アーティチョークを持つ女』をはじめとするピカソ作品、良かったですよ。

画像5
パブロ・ピカソ『アーティチョークを持つ女』1941年

実はピカソのこともまだよくわかっていないのですが(汗)…。
女性の顔、左上の部分はピカソが自分を投影しているのではないかしら?などと。。。ピカソの底知れないエネルギーと誰も真似できないパワーにはいつも驚かされます。

私が特に惹かれたのは、ピカソと反対側の壁に展示された一連の作品たち。

左から)アメデオ・モディリアーニ『アルジェリアの女』1917年
マルク・シャガール『妹の肖像』1909年
アンドレ・ドラン『サン=ポール=ド=ヴァンスの眺め』1910年
モーリス・ド・ヴラマンク『花と果実のある静物』1911年

うんうん、モディリアーニだね。白いブラウスの襟が美しい。

ロシア出身のシャガールが、まだパリやドイツに赴く前の20代前半に描いた初期の作品。妹の左肩部分からザックリ見切らせる画面構成、そして壁の模様、植物の葉が装飾的で面白い!こんなシャガール見たことありませんでした。

アンドレ・ドランは、<自然と人のダイアローグ展>で観た同じ1910年の作品と頭の中で並べて鑑賞。面白い(すでに第3章・B面で投稿済み)!。

そしてヴラマンク。とても気になる画家です。いつか向き合わなくてはなりません。

細長い【第3章】の小部屋中央に置かれた長椅子に座って、この4作品をじっと眺めてきました。そして長椅子から後ろを振り返ると、そこにはピカソ『アーティチョークを持つ女』。
うわーーーっ、幸せな空間です。

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「20世紀絵画を知りたい!」スイッチを押してもらった、とは言え まだまだ20世紀初頭でウロウロしていますね。
少しずつ、前進して行きたいと思います。

<終わり>

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