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私が【中国茶】を好きになった原点

この記事は182日目の投稿になる予定で、私には大きな意味があります。
なぜかと言うと、現在noteの1年間連続投稿チャレンジをしているから。
1年が365日なので、365÷2=182.5
182日目か183日目が半年の区切れになってきます。

noteでは【中国茶】について記事を書いていることが多いので、半年の区切りに私が【中国茶】を好きになった原点のことをお話ししたいと思います。
少し長いお話しになりますが、おつきあいいただけるとうれしいです。

初めての海外が「台湾」

出発前は不安だらけ

私が初めて日本を出たのは、大学2年生になる直前。
台湾に留学するためでした。

日本は世界の中では少数派の4月から新年度がはじまるため、留学に出発した2月は日本の大学は春休み中です。
ですが、台湾はまだ年度途中。
1年生後期の試験終了後まもなく、「2年生の前期」を交換留学するために日本を発ちました。

私の卒業した大学は、世界各国の大学と交換留学システムを構築していて、私たち中国語学科の学生は、2年生の時点で台湾か中国大陸の数ヵ所の大学に留学できる選択肢がありました。

特に台湾の場合、台湾の大学敷地内に合同出資で寮を建てていたため、「前期留学組」「後期留学組」と大人数を受け入れてもらうことが可能だったため、2年生の前期に留学を経験したい学生は台湾留学を選択します。

1年生の時点で様々な方面からガッツリと中国語の基礎を叩き込んでもらったり、留学生たちと会話練習をしたりして、中国語に触れる時間をかなり確保していたとしても、まだまだ中国語初心者。

日本を発つ日が近づいてくると不安がどんどん増していきました。
そんな私に先輩方は自分の体験談を話しながら励ましてくれ、とにかく「案ずるより産むがやすし」と送り出してくれました。

飛行機に乗るのも人生初だったのでとても緊張しましたが、なんと隣の席の女性が私がこれから留学する大学の日本語学科の方で、機内で台湾のおいしい食べ物について教えてくれ、不安をやわらげてもらえました。

生活になじむのはスムーズだった

空港からは私たち留学生のためのチャーターバスで寮へ向かいました。

寮につくと、寮生たちが荷物を運ぶのを手伝ってくれたり、日用品の買い出しに付き合ってくれたり、おすすめのご飯屋さんを教えてくれたり、ととにかくいろいろなサポートをしてくれました。

寮生たちは台湾の大学の日本語学科の学生たちがほとんど。
なかには日本への留学経験者もいました。
中国語で話をして分からない場合には日本語を使ったりすることができたおかげで、生活になじむのはとてもスムーズでした。

たしか、日本の空港から台湾の寮までアテンドしてくださった日本人男性がいたと思います。
彼は私たちの大学の卒業生で先輩。
旅行会社に就職して後輩たちの留学をサポートしてくれていた、ってことかな。

甘いお茶の洗礼

日用品の買い出しに行ったのは、近所のスーパーでした。
スーパーなのでもちろん食料品も売っていて、缶やペットボトル入りのお茶も売っていました。

そこで注意を受けたのが「缶やペットボトルのお茶を買う時は『無糖』か『加糖』かを確認して」ということでした。

当時日本で「お茶」と言えば【緑茶】や【烏龍茶】などの無糖のものをさし、【紅茶】と言えば、【ミルクティー】か【レモンティー】か【ストレート】。
だけど【ストレート】も砂糖が加えられていました。

つまり、日本の感覚で「お茶」を買おうとすると【緑茶】や【烏龍茶】を選ぶだろうけれど、台湾では【緑茶】にも【烏龍茶】にも砂糖を加える文化がある。
と教えられました。

加糖文化を目の当たりにしたのはドリンクスタンドのお品書き。
日本で有名な【タピオカミルクティー】もドリンクスタンドでは商品の1つに過ぎず、お茶ベースから自分好みのカスタマイズができる仕様でした。

お茶ベースとして【紅茶】はもちろん【ミルクティー】や【ジャスミン茶】(ジャスミン茶は緑茶ベース)などの【フレーバーティー】にジュースなど、とにかくたくさん札が掲げられていました。

ちなみに【タピオカミルクティー】は、【ミルクティー】にタピオカをトッピングして作ってもらうのですが、「珍珠奶茶」とだけ伝えればOKです。
あとはホットかアイスかを聞かれるので、お好みですが、ホットだとストローで飲むのは要注意です。

加糖文化を理解して、自分で缶やペットボトルのお茶を買う時には『無糖』を買うように気を付けていたつもりなのですが、ある日間違えてしまったことがありました。

間違えたのはサントリーの烏龍茶を買った時。
当時、日本で売られていた缶入りのサントリーの烏龍茶の缶は茶色っぽい灰色っぽいデザインでした。

多分こんな感じのデザイン

たしか、こんな感じ。
で、ややこしいことに、台湾での『加糖』バージョンが同じような色味の缶で、『無糖』バージョンは緑色っぽかったはず。

その日は自分が『加糖』を買ったことにも気付かず、一口飲んでやっと気付きました。

一緒にいた台湾人の友人にとっては、『加糖』の烏龍茶の缶は特に珍しい光景ではなかったため、私が「間違えちゃったよー」「日本の烏龍茶の缶と色が似ているんだよー」と騒ぐのが不思議だったようで「缶のお茶は砂糖が入っていて当たり前じゃない?」と。

なので、私は日本のお茶文化では(この場合は煎茶など、急須で淹れるお茶文化です)砂糖を入れないので、缶やペットボトルのお茶も『無糖』が当たり前と説明をしました。

すると友人は「小さな器でちょっと飲むくらいじゃないと『無糖』は飲めないよ。苦いじゃん」と返してきました。

当時、中国茶について興味が無かった私ですが、このやりとりは今でも鮮明に覚えています。

友人の言う「小さな器」はきっと「品名杯」のことだったんだろうなぁ。
茶壷を使って淹れる中国茶道のことを言っていたんだろう、と今ならわかります。

中国茶に興味を持つきっかけになったできごと

じつは私、留学生活中は中国茶芸に出会うことはありませんでした。

同級生たちから「茶芸を体験してきた」と聞いたり、上述した台湾の友人の話を聞いたくらい。

「茶芸館」にも行ったことはありますが、同年代の台湾人の友人たちも注文するのは今でいう映えるアイスドリンクばかりでした。

中国語が分からない友人たちとの台湾旅行ツアー

留学を経験すると、飛行機に乗ることや台湾に行くことに抵抗がなくなりました。
帰国後に迎えた日本の冬休み中、私と同じく前期留学組の友人たちと、現在留学中の後期留学組の友人に会うために各自飛行機を手配して「じゃあ、〇〇日に寮のロビーでね」という待ち合わせをするほどになります。

だけど、これができるのは留学を経験し、言葉への不安がなく、土地勘ができたから。

中国語が分からない友人たちと一緒に台湾旅行をする時は、フリータイム多めのツアーを使って台湾を訪れるのが楽でした。

ツアーに参加しているため、お土産屋さんへ連れていかれるのは当たり前。
「買いたくない物を買わされない」ために強靭な精神力で挑む必要がありました(笑)。

その中の1つにお茶センターみたいな場所があり、茶芸披露を見た後に一杯ずつ品名杯にて中国茶をいただきました。

その時はお茶についての知識が全くなかったので、出されたお茶の種類や名前なんて全く覚えていません。

ただ、今まで見慣れてきたサントリーの烏龍茶とは違う茶水色と香りの良さにとても衝撃を受けた記憶があります。

私が知っていた【烏龍茶】はサントリーの茶色くてちょっと苦いもの。だけどゴクゴクと飲めるもの。

その時にいただいた【烏龍茶】は甘い香りと黄金色の茶水色。飲み終わった後の品名杯にも香りが残っていて、しばらく幸せな余韻にひたっていました。

茶芸を披露するかたわらでツアーガイドさんが日本語で説明をしてくれていたのですが、その時に「高級な【烏龍茶】はこのように黄金色をしています。そして香りも長く続きます」と言っていたのがとても印象的で、お茶を学び始めるまでは「茶色い烏龍茶は安いものなんだ」と思い込むようになるほど。

当時の自分をいさめに行きたい!!!
茶水色の違いは、茶葉の種類・酸化程度の違い・焙煎程度の違い、とかで別に安いからじゃないよ。
高いお茶でも茶色い茶水色はあるよ。って。

茶芸館に行ったら【烏龍茶】を注文するようになる

このツアーで【台湾の烏龍茶】を知ったのがきっかけで、その後台湾に行って茶芸館に入ると、茶壷を使って淹れるお茶を注文するようになりました。

それは台湾に限らず、上海に行ったときも。

注文したのはそれぞれ違う名前のお茶だったと思いますが、当時はまだお茶について無知だったので、お茶の名前まではおぼえていません。
ただ、【烏龍茶】だったことだけは確かです。


私が中国茶を好きになったきっかけは【台湾の烏龍茶】だったからなのか、今でも一番好きな【烏龍茶】は【金萱茶】です。

【金萱茶】の茶水色は黄金色ではないけれど、私が中国茶を好きになった原点は台湾、ということで今日は【金萱茶】を淹れました。

しかも、「聞香杯」も出してみました。

奥の背が高い器が「聞香杯」

写真を撮れなかったけれど、まず「聞香杯」にお茶を入れたら「品名杯」をかぶせます。

「聞香杯」にお茶を入れます

その後、両手でひっくり返します。

ひっくり返した後。このうつし方ならお茶がこぼれません。

今はまだ黄色みが強い茶水色ですが、煎を重ねていくとどんどんオレンジがかった茶色へと変化していきます。
お湯の抽出に時間がかかるようになったら、一晩つけて抽出しますが、その時の味がアプリコットのようになるのも好き!


では、長いお話しにおつきあいいただき、大変ありがとうございました。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。


サポートいただきありがとうございます。 いただいたサポートでお茶を買いに行き、記事にさせていただきます😆