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なんちゃって育休でもとりあえずいいのでは

男性の育休取得について、関連する統計やアンケートが増えている。

だいたいの統計を見てみても、育休を取る男性は1割強になってきて、でもそのうちの9割以上の男性は短期的な育休しか取っていない、というデータになっている。

そもそも、男性の育児休業取得率がまだかなり低いため、取得率そのものを上昇させることはもちろん大切であるが、仮に男性の育休取得率が上昇しても、5日や2週間未満といった短期間の取得者が増加しているだけの場合、出産後の家事・育児の大部分を女性が担うことになり、女性が復職した後も、育児の経験が少ない男性にかわり、結局女性が引き続き家事・育児の大部分を担うことが懸念される。男性の育休取得率に着目するだけではなく、取得期間にも着目し、短期間のなんちゃって育休になっていないか、配偶者をサポートし、育児にしっかり携わるに十分な期間を取得する、あるいはできるようになる男性が増えていくか、注視していく必要があると言えよう。

https://www.works-i.com/column/jpsed2022/detail009.html
リクルートワークス研究所

もう仰るとおりではあるのだけど、政府も何もしていないわけでもない。
産後育休制度とともに、2週間未満の育休では、社会保険料の免除はされない、という法改正もされた。これまでだと、ボーナスがもらえる期間だけ育休を取得して、ボーナス分の社会保険料を免除してもらう男性が多かったからだ。
だから、今後育休を取る人は、最低でも2週間は取ることになると思われる。

それはそれとして、では、何ヶ月育休を取れば男性は復職後も引き続き育児に関わってくれるだろうか、というのは正直わからない。
わたしも、時短勤務で復帰したけれど、その期間の大部分の育児はお任せになってしまっていた。もちろん今後保育園に入れれば、日中の時間は保育園にお任せになる。

育休の数ヶ月が終わっても、ずっと育児は続く。

個人的な主観でしかないけれど、とりわけ大変なのは食事だ。離乳食づくりは、単にご飯を作るだけじゃない大変さがある。

アレルギーの耐性を少しずつ試すため、少量ずついろいろなアレルギー性の食品を食べさせる。そのために、小さく細かく食材を刻み、すりつぶし、混ぜる。母乳やミルクだけ飲んでいた頃とは違う大変さが出てくる。作ったものを食べない、体重がうまく増えない不安もある。市販のベビーフードだって、食べてくれるかどうか、わからない。

産後鬱が出生半年後に増え始める、と言われるのがこのへんの大変さからくるものでもある。母乳から離乳食に変わるときの大変さ。

そして保育園に入れる頃には、また別の問題も出てくる。集団生活でいろんな病気をもらってくるし、友達とのトラブルもあるかもしれない。久々の職場復帰で親も疲れているし、慣れない環境で子どもだって疲れるのだ。
保護者会やPTAがあれば、そのぶん仕事は増えるし、登園もしぶる子どももいる。そもそも保育園に入れるのも一苦労だ。

習いごとをさせるなら、送迎も必要だし、下手に土日に詰め込むと、休日に旅行なんていけなくなる。平日に一つでも入れたいが、でも、平日に一人で行けるようになるのは、まだ数年先になるから送り迎えは必要だ。

と、育休を数ヶ月〜1年ほど取得し職場復帰した男性がどこまで、復帰後もこうした育児の細やかな積み重ねのタスクを一緒に背負ってくれるか、わからない。復帰後は当たり前にフルタイム並みの働きが求められ、残業もあれば、飲み会もあるかもしれない。
長い長い年数のある「復職後」に比べれば、育休の取得日数なんて5日でも1ヶ月でも、3か月でもそんなに大差無いように思えてくる。

育休は制度としてあるもので、また就労し雇用保険を払ってる以上、取得していい権利なのだから、取りたいぶんだけ取ればいいと思う。働くのが好きなら、少なくてもいい。
でも、育児の責任分担は、育休とか関係なくやらなきゃいけないことのように思う。育休取ってたときは楽だったけど、となってしまうのはお互いに不幸だ。

男性にも仕事と育児の両立ができる環境を、という声はまだ少ない。でも、男性だって職場復帰した後も、時短勤務したり、保育園のお迎えに行ったり、平日に中抜けしたり、定時で帰って毎晩のご飯を作り連絡帳を確認したり、できる社会になったらいいなと思う。

育休を取りたくても取れない男性もまだまだいるだろう。私も上の子のときはパワハラな上司が怖くて取れなかった。結局仕事を辞めて、2週間ほど子どもと一緒に過ごした。育休を取ったからエラいなんてわけでも全然ない。
長い長い子育てを、うまく家族で分かち合い、周りの助けも借りながら、社会と折り合いをつけながら、やっていけたらそれでいい。生まれた子どもを大切に、楽しくみんなで子育てしていきたい。

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