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【インタラクション2024に参加】バイオリンの運弓動作計測による初心者と経験者の差異分析

はじめに

こんにちは。杉浦裕太研究室M1の瑞穂です。
3/6から3日間、学術総合センター内 一橋記念講堂で開催された第28回 一般社団法人情報処理学会シンポジウムINTERACTION2024に参加し、「バイオリンの運弓動作計測による初心者と経験者の差異分析」というタイトルでポスター発表しましたので、報告させていただきます。

研究の概要

バイオリン演奏は、左手で弦を押さえる運指動作と、右手で弓を動かす運弓動作からなります。特に右手の弓動作は音色に強く影響すると言われていますが、動きが複雑で特に初心者への指導や習得が難しいという問題があります。
そこで本研究では、バイオリン初心者と経験者の弓動作を計測し、比較することで、経験者特有の特徴や初心者に足りない要素について検討しました。今回は特に、弓圧・弓の位置・弓の速度の3つに着目しました。

演奏中の弓圧を計測するため、バイオリンの駒の下に力覚センサを設置しました。

バイオリンの駒の下に設置した力覚センサ

弓位置を計測するためモーションキャプチャを用いました。楽器に光学マーカを取り付け、モーションキャプチャカメラでその座標を取得しました。得た座標から、弓の全長に対して、元から先のどこで弾いているかを0~1の値で算出しました。弓速度は、弓位置とタイムスタンプから計算しました。

楽器に取り付けた光学マーカの位置とモーションキャプチャで捉えた演奏姿勢

実験では、初心者と経験者5名ずつに開放弦A線を決まったリズムで往復させ続けてもらい、その時の弓圧・弓位置を計測しました。

計測したデータを比較した結果、経験者は初心者に比べて

  • 常に一定以上の弓圧の大きさを維持する

  • 必要最低限の力で弓先まで弓圧を維持する

  • 弓の返し(方向転換)がスムーズ

  • 弓速度が安定している

などの特徴を持つことがわかりました。今後はこれらの結果をもとに、初心者に対して弓動作の練習を支援するフィードバックシステムを実装したいと考えています。

当日のフィードバック

発表場所は廊下の一番奥だったのですが、多くの方が説明を聴いてくださいました。今回は弓圧・弓位置・弓速度についてのみ比較しましたが、そのときの音の違いも波形で比較できたらいいという意見をいただき、今後取り組んでみようと思いました。また今後のフィードバックシステムについても多く意見をいただき、議論することができました。

感想

今回はじめてインタラクションに参加したのですが、とにかく人が多く賑わっていて、聴いてくださる方に大きな声で説明するのが少し大変でした。ですが、その分多くのデモを体験したり発表を聴いたりすることができ、色々な研究テーマやアプローチに触れて、とても勉強になりましたし、楽しめました。私も楽しさやわくわくする気持ちを忘れずに研究活動をしていきたいと思います。

発表中

発表ポスター




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