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【M:TG】憎たらしいあの女を最推しに処刑してもらうデッキを考える【考察編】

 敢えて言おう。自分はナーセットという女が大嫌いだ。

 奴はサルカンの里帰りに際して(厳密には別人だが)登場し、ジェスカイというネタ氏族をいかに公式が「推し過ぎて」いるか証明してのけた上で物語から脱落した。
 ところが、奴は別人になって蘇った。
 それどころでない、ジェスカイが姿を変えたオジュタイ氏族に関しても公式は「推し過ぎ」であり、奴はあろうことかプレインズウォーカーとなってストーリーに関わる形となった。
 サルカンを責め立てるつもりはないが、ウギンさえ救っていればハッピーエンドだっただろうストーリーに、何故よりによってネタ系氏族のリーダーを絡める必要があったのか、まったく腑に落ちない。
 しかも、ストーリーにまったく絡んでいないにも関わらずボーラス打倒に助力したり、イコリアに出ていたり、Φと戦っていたりする。ナーセット如き「いらん子」が、何故悪サイドに堕ちなかったのか疑問でならない。


ナーセットがPWになった際の自分

 さて、個人的憎悪をひとしきり語ったところで、今回はモダン環境をイメージしてナーセットを倒すにふさわしいデッキを考察するとしよう。協力者は自分の最推しPW、ケイヤである。


 彼女の色である白黒をベースに弱点を考察しながら、いかなるデッキを組むべきか考えながら本文を展開しよう。
 白黒はM:TGの性質上、トークン生成とドレインに特化している。しかしトータルパワーが低い傾向にあり、トーナメントで活躍した例は少ない。
 そこで、実際にモダンでケイヤを用いるデッキを構築するとして、如何なメタが来るか考察しながらレシピを考えて行こう。原則的に仮想敵は《悟った喪失者、ナーセット》とするが、可能な限り他のアーキタイプにも触れたい。

 さて、まずは歴代ケイヤを具に評価してどのカードを用いるか決めて行こう。


 カードのクセ以前に、モダンで使えないので選考外とする。


 スタンダードでも一時使われた実績がある。-5は確かに強いが、アーキタイプを選ぶのが課題。


 論外。《ケイヤの誓い》の方が一億倍強かった。


 カルドハイムの主人公を務めた際のデザイン。刺されば強いが、歴史的パーマネントに依存するところとややファッティなのが欠点。


 トークンデッキでは光りそうだが、他に使い所は果たしてあるだろうか?


「地獄に落ちなさい」

 レアにしては破格のスペック。BIG MAGICの岩SHOW氏が、スタンダードで単挿しのコンボデッキを取り上げたことも記憶に新しい。問題はコストの攻略にある。


 最新版。これも岩SHOW氏が墓地から追放したクリーチャーを化け物に変えるコンボで取り上げていた。+2と+1の使い分けで、比較的守備範囲が広いのもうれしい。

 歴代ケイヤに触れたところで、奴が盤面にいる以上起こり得る展開を考察しよう。
 奴は盤面にいるだけで自軍に果敢を付与する。そして自身が殴るたびに墓地から非クリーチャーのコピーを唱えさせる。要するに奴が殴るたび、奴の仲間たちが強化されていくのである。
 こうなると、《致命的な一押し》や《殺戮の契約》といった黒系の「伝家の宝刀的除去」が使いにくくなる。


 なら勝ち筋として考え得る方法は何か? ジェスカイカラー最大の欠点であるマナスクリュー頻度の高さを逆手に取ってこちらからビッグマナを展開するか、あるいは除去耐性があるクリーチャーを並べて相手の妨害を追いつかせなくするか。白黒的観点からはその二択が出てくるだろう。前者を取るなら緑を足したいが、今回の趣旨は「ケイヤでナーセットを倒す」ことにあるので、ここでは後者を取る。
 然るに、白黒の弱点を補いながら除去耐性の高いクリーチャーを並べるため、どの色を足すのか? 無論色の問題は付きまとうし、そのための土地バランスやマナカーブに悩むところはある。だが、たった1枚の土地が戦略を下支えしてくれるのがM:TGの醍醐味である。


 これでスピリットを指定すれば、ケイヤ着地時のスピリット・トークン戦術を下支えできる。逆に、最新版ケイヤの常在型能力を活かしたければスピリット以外を指定すればいい。「打ち消されない」ため墓地肥やしに多少手間はかかるが、想起などと組み合わせればまず問題ないだろう。
 想起…こいつの出番か?


《魂の洞窟》でエレメンタルを指定して、想起コストを支払ってこいつを出す。トークンがいるなら、墓地のこいつを《幽霊の裁き、ケイヤ》の+2で追放してやるだけでいい。戦場のトークンがこいつのコピーになり、合計4枚ドローできる。
 だが、単純にアドを稼ぐだけでは面白くない。増やした手札にマッドネスなんかがあれば、自分にハンデスを打ったりして明後日の方角から翻弄してやりたいものだ。
《幽霊の裁き、ケイヤ》なら、諜報で墓地に落ちた《ナルコメーバ》などとも相性がいい。惜しむらくは《黄泉からの橋》がBanを食らい、モダンリーガルでないことだ。


「わかりません!」ーー自分


 総括すると、メインボードには《幽霊の裁き、ケイヤ》さえいれば事足りるだろう。

 ではサイドボードは?《安らかなる眠り》+《オルゾフの簒奪者、ケイヤ》でロマンコンボを目指すのもいいが、モダンほどの環境になると確実性に欠ける。
 あえてケイヤに固執しないなら《安らかなる眠り》《石のような静寂》などの特定アーキタイプ対策で事足りるだろう。今回の論点はケイヤで勝つことにあるが、そこまでこだわっていては自分の首を締めかねない。

 さて、対策をあれこれ考えたとはいえ、相手も何かしらベンチ選手を有しているのがカードゲームの条理である。一度勝ってもサイドボード後に形成逆転はざらにある話。
 今回は仮想敵がはっきりしているから考察しやすかったが、ケイヤに勝つアーキタイプは山ほど存在する。まだ考察が足りないので、今後モダンのメタなどを入念に研究して、勝ち筋を見出していきたい。


 ここまで書いたことを参考に、後日サンプルデッキレシピを上げたいと思っている。今回はあくまでもデッキそのものではなく、現行ケイヤのモダンにおける勝ち筋を考察したかっただけである。
 いつも通り、感想や意見があればコメントしていただきたいが、もしデッキを組む上で参考になるカードをご存知の方がいれば、教えてくれると幸いである。

 それでは、また構築編にて。


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