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ストレスノーツ・マネジメント

 自分には悪癖がある。
 物事を理論的に捉え表現する一方で、ゲームをプレイする折にはいわゆる「脳筋思考」に陥り、考えてプレイすることが不得意なのである。必然的帰結として、ゲームをほとんど遊ばなくなっている。
 それでいて、下手の横好きのように魅了されているジャンルがある。リズムゲームである。
 特に好きなリズムゲームは「プロジェクトセカイ」と「オンゲキ」の2つで、実際にプレイしている(腕は察していただきたい)。
 リズムゲーム界隈は研究すると面白い点が多々あり、初心者から達人(ゴリラなどと揶揄される)まで飽きが来ないように工夫を凝らし、それらが噛み合ったゲームがアーケード・家庭用問わず生き残っている。
 プロセカやオンゲキに限らず、サイトで譜面確認をしていると、大抵のゲームは「楽曲上のアクセントに合わせる形で配置される、強調的なノーツ」が存在していることがわかる。自分はこれらのノーツを「ストレスノーツ」と仮称している。
 今回は半ば「にわか知識」になってしまうようで申し訳ないが、これらのノーツの傾向について語りたい。まずは実際にプレイしているゲーム2種のストレスノーツからピックアップする。

オンゲキ:BREAK時に「スコーン」という音がする、黄色枠のノーツ
 まずはオンゲキ。通常ノーツだけで考えても運指のバリエーションが多彩であるともしばしば言われる。
 同タイトルのストレスノーツは、数あるリズムゲームの中でも特に明確と言えるもので、BREAK判定以上で処理すると「スコーン」という独自のサウンドを発する。
 見分け方は至ってシンプル。通常ノーツと違いストレスノーツは黄色の枠を有していて、しかも自分の定義通りアクセントを置くように配置されている。
 自分がプレイしていて爽快に思うのは、スライドやLR同時押しのストレスノーツを捌いたときである。動作的なものに加えて、曲のアクセントが重なってくるので精神に作用しやすいのである。腕が上がれば、より多くのノーツと戦うことになるのはリズムゲームの宿命だが、それらを捌けたときの爽快感もまた味なものである。
 オンゲキの場合、操作はやや煩雑だがストレスノーツを対処した際の爽快感もまたトップクラス(少なくとも自分がやった中では)であるので、達成感以上の何かを得るにはうってつけだろう。

プロセカ:黄色フリック
 続いてプロセカから、リズムゲームアプリでも特にわかりやすく、しかしながら対処のやや難しいストレスノーツを挙げる。
 アプリ版リズムゲームは、アーケード版と違い操作方法がシンプルになるため、必然的にノーツの表現方法もベクトルが異なる。「このボタン」ではなく「このエリア」でノーツを捌く必要がある。
 プロセカのノーツ表現は、ある意味遊び心に振り切った表現になっており、ノーツ形状で歌詞の世界観を再現することも多い。「ドクター=ファンクビート」の終盤で「大天才」のノーツが来たときの反応は如何ほどだったか。
 そんなプロセカのストレスノーツはボーナススコアが入るノーツたちの中で、特に捌いたときのエフェクトが明らかに異なる「黄色フリック」と思える。適確タイミングで処理すると「カーン」というサウンドを伴い、ノーツの残像がレーンの奥に飛ぶ。これだけでもストレスノーツとしての存在感は抜群である。
 対処のやや難しいところは、スライドや連打に紛れている際、運指が複雑化しやすいというアプリゲーム特有の難点である。それでも達人プレイヤーは流麗かつ大胆に捌いていくのだから頭が上がらない。いわゆる「一人和尚」レベルのプレイヤーならばことさらである。

D4DJ:ツマミの横移動、スクラッチ
 認識難性であれば間違いなくブシロードゲームトップクラスと言えるD4DJだが、このゲームには2種類のストレスノーツが存在していることが譜面動画からわかっている。
 まずはツマミの横移動。レーンで結ばれている「ずらし」は音にエフェクトをかけるものだが、横移動の際は独自のサウンドが出る。また、これも自分の定義にそぐうように配置されることが多い。これは後述するSDVXのつまみに似ている。
 もう1つはスクラッチ。レーン左右に置かれたアナログ盤をスクラッチして対処するのだが、スクラッチ中は譜面停止が強制的にかかるため、認識難も強くなってしまう。
 総論からして、同タイトルは上級者向けリズムゲームと断定せざるを得ない。

SOUND VORTEX:直角
 アーケードリズムゲームで、同作ほど「一見剛力羅(いちげんゴリラ)お断り」な作品もない。シンプルで楽しいスタイルに特化しているセガに対して、元祖リズムゲームのプライドが高いコナミは、ゲームレベルの高い作品を次々と世に問うてきた。
 SOUND VORTEX (SDVX)もその1つで、構成楽曲の多様性はさすがコナミというレベルである。
 このゲームはとにかく操作方法が煩雑で、6つの鍵盤と左右のつまみを上手くコントロールしなければならず、レベルが高いことから現時点で自分は距離を取っている。
 そんなSDVXのストレスノーツはやはりつまみの「直角」だろう。捌いたときの「ズバン」というサウンドの爽快感は、他で感じることができないものである。また、時としてこの直角に合わせて特殊演出もあったというから、公的にSDVXのストレスノーツは直角であると認定されているようなものだろう。

あなたが好きなリズムゲームのストレスノーツは?
 
今回取り上げたゲームの他にも、リズムゲームはたくさんある。もしストレスノーツがこれと思えるゲームはあるようなら、コメントや自分のX、Threadsにて教えてもらいたい。もちろん、拙稿に対する感想も併せて知らせて欲しい。

 それでは、また機会があれば。

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