見出し画像

歌舞伎meetsクラシック―久石譲さん楽曲、歌舞伎編曲への感動…等々

これ、無料で聞けて良いのかなホント。

=====

久石譲さんは、他にも好きな楽曲が多いのですが、やっぱりジブリ音楽は格別です。

ジブリ音楽の素敵なところは、壮大さとカッコよさ。
その中に、ほのかに香る切なさ

そこまで壮大じゃなくてもいい「魔女の宅急便(20′00″頃~)」にも、街並みと海風を感じる壮大なワルツが入っていますし、
子供向けのポニョやトトロであっても「切なさ」が香る曲は多いです。

=====

アレンジしても素敵な曲たちですが、やはり鳥肌&涙腺に来るのは、
『フルオーケストラVer』。
特に、一番好きなのが、風の谷のナウシカ『鳥の人』です(動画7′09″)。

「風の谷のナウシカ」の曲たちは、オーケストラVerが一番好きでしたが、
先日遂に「これはカッコいいアレンジ!」と思ったのが『和楽器Ver』でした。

======

和楽器Verとは、
『新作歌舞伎風の谷のナウシカ』のために編曲もしくは作曲された曲たちです。

詳しくは作曲・編曲者ご本人のインタビューがあるのでそちらをご覧頂くとして
―和楽器が奏でる新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』サントラ  尾上菊之助の思いを具現化した新内多賀太夫にインタビュー

歌舞伎版、観るまでは「あのオーケストラ音楽をどうやって和楽器で表現するんだろう?」と思っていました。

当たり前ですが、プロって凄いですね。特に大好きな「鳥の人」。
あのオーケストラ版の壮大さ、切なさが、和楽器でも存分に表現されていて、鳥肌&涙腺にジーンときます。

オーケストラでは弦楽器(バイオリン等)の音が主旋律になる時間が長く、途中で木管がアクセントに入ってきますが、和楽器Verでは『弦をこする音』がありません。
その部分は木管楽器(笛)たちが力強く活躍し、弦楽器(箏)の音の方がアクセントに入る逆転版になっています。

=====

NHK教育で初心者向けクラシック解説番組があるのですが、
先日ちょうど、中村勘九郎さんゲストで『歌舞伎meetsクラシック』というテーマを放映していました。

・和楽は演者を通して思いを載せる
・洋楽は音が主演になって唄う

事が多いのだと言うような話をされていました。
まさにそうだったかも。

もちろん西洋にも舞台音楽が出てきてダンスナンバーはあるし、
『新作歌舞伎』はミュージカルっぽい楽曲と半々ぐらいですから、
全てが上記の解説に当てはまるわけじゃないでしょうが。

「音が」っていう話ですよね。

=====

映画版サントラと違う部分としては、歌舞伎版では各キャラクターの『登場音』が作曲されています。
歌舞伎版サントラで聞けるのはナウシカ・クシャナ・巨神兵ですが、
ユパ様、クロトア、ミラルパにもテーマ音あり。

映画版でも、Wヒロインだけは、名前の入った劇中音楽はあります。
ナウシカには『♪蟲愛ずる姫』、クシャナは『クシャナの侵略』。

曲を知っている者にとっては、歌舞伎版の『ナウシカのテーマ』は『蟲愛ずる~』の編曲に近いですが、
クシャナは映画用と原作漫画(←歌舞伎はこっち)でキャラが違ってしまうので、完全な作曲。

胡弓の音が虫の悲しい叫びを表現(作曲者談)し、それをお箏の音がダンダン!ダンダン!と踏みつけていく、まさに”戦闘ヒロイン”感溢るる曲。
実は映画用の劇中歌『クシャナの侵略』も「テルミン」っぽい音がふんだんに使われています。
クシャナ殿下の曲って胡弓やらテルミンやら、ちょっと異国っぽさを漂わせることになるのかな?と思ってみるなど、共通点にニマニマしています。

(なお、この曲が「宝塚歌劇団っぽい」と思ったので、先日のnote書くきっかけになりました笑)

=====

クラシック版(久石譲さん原曲)の「風の谷のナウシカ」楽曲がお好きな方、
歌舞伎版にはご興味なくとも、和楽器版サントラは配信で1曲ずつ買えます。
『風の伝説』『王蟲との交流』『鳥の人』の3曲(できればナウシカのテーマまで入れて4曲)はぜひ、お聞き比べになってみて下さい。


余談:
子供の頃父が買い与えてくれたジブリのサントラが実家にありまして、
トトロ・魔女宅はやや子供向けのヴォーカルアルバム、ラピュタは普通のサントラで、ナウシカだけハイテックシリーズ(なぜ!)でした。
ハイテックシリーズは、フュージョンっぽいというか、ロックっぽいと言うか…多分、当時流行っていたアレンジのものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?