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「運動の多様性」トレーニングプログラム再考

大阪〜神戸で活動して25年目に突入!パーソナルトレーナーのたかつです
スポーツトレーナー学院で校長をしたり、パーソナルトレーナーの寺子屋というオンラインサロンを運営しています。
こちらのブログはフィットネスの世界で働く方、働きたい方、NESTA等パーソナルトレーナー資格をお持ちでスキルアップ、キャリアアップを考えている方向けに書いてます

パーソナルトレーナーの皆さまは様々な「エクササイズ」を指導することを通じ、お客様の心と身体をより良くするためのお手伝いをされていることでしょう。

エクササイズとは、何らかの目的を持った運動を指し、買い物に行くために歩いたというようなものは通常、エクササイズとはいいません。

ということは、そのエクササイズには何をやっているのかという目的が明確になっていないとダメだということです。
例えば、「スクワット」という名前のついたエクササイズは、しゃがんで立つという行為に過ぎず、ここに目的を持たせるためには、何のためにどのようにどれくらいやるかという具体的ハウツーが必要になります。

スクワット1
バックスクワット

筋トレの本には、筋トレ=筋力トレーニングとしてスクワットのことを解説してあるので、どこの筋肉が鍛えられるとか、どの関節が動くとか、ジャンプ力の向上に寄与する可能性があることなどが書かれている。

いわゆる体力を向上するために「スクワット」を用いるならば、その体力向上目的に応じて重さや回数を指定して、生理学的な作用を引き出すことを狙いに取り組むはずである。
力をつけるならより重いものを挙げる必要があるし、筋肥大を狙うなら筋肉を疲労困憊させるようなことも必要でしょう。

一方、「感覚運動」としてみた場合に、スクワットは身体が上下する運動であり、そこに目標物をみたり、動くスピードを変えたりといった刺激を加えることで、同じエクササイズでありながら違う目的の運動に変わります。
この場合の運動量や筋肉や心肺に刺激を与える目的ではないため、力の大きさや、反復の多さは問題ではなくなるでしょう。

運動をすれば身体にはなんらかの刺激が入ります。その刺激を何のために入れてやるのか、どれくらい入れてやるのかがポイントであり、指導者の腕の見せ所なわけで、必ずしも疲労困憊に追い込むことだけがパーソナルトレーナーの仕事ではありません。

 刺激は入れ過ぎも、入れなさ過ぎも良くないのでその目的に見合った刺激の強さや量が必要になります。
筋肥大のために筋肉に刺激を入れる場合は比較的情報を得やすいかと思いますが、感覚系に刺激を入れ過ぎたら気持ちわるくなるかもしれません。
極端にいうと、バットを立て額にあてるようにしてバットの周りをぐるぐる回る運動(ぐるぐるバット)は、前庭系に刺激が入りすぎるかもしれません。その後走るとおそらく真っ直ぐ走れないでしょう。

デスクワークを中心に行なっているクライアントが、ジムにきて運動してもらうのにマシンに座って四肢だけを動かす運動をしたとしたら、体幹部の移動に乏しく運動がどうしても画一化してしまいます。このようなクライアントにはできるだけ自分の移動が体験できるもの、腕立て伏せやスクワット、ランジ、横方向のランジ、懸垂などを組み込むと良いでしょう。

上記のエクササイズはいわゆる筋トレでも行われるものですが、筋トレとしての要素プラス、感覚にも訴えるものにするために工夫です。もちろん、最低限の筋力が必要になるため、もっと強度を低くするために仰向けや座位で体を移動させるもの、でんぐり返りや寝返りをエクササイズ化したものなども使えますし、4つばいポジションからですと頭部を上や下、左右に倒したりねじったりと色々な方向に変えるエクササイズも可能になります。

4つばいでのエクササイズ

運動機能を改善、向上するためにそういった感覚運動の分野のエクササイズを用いる場合も然り、また通常の筋トレの前の準備的なエクササイズとして上記のような多様な運動刺激を入れることで、メインの筋トレのパフォーマンスが上がったなんて事例もありますし、どう組み込むかはクライアントの目的や体力次第ですが、トレーナーをさまざまな視点でエクササイズを活用していくと良いでしょう。

まとめると。。。
運動するというのは筋肉を鍛えることも含め、能力や機能を改善・向上させていくことができるわけですが、それは体力要素だけにとどまらず、姿勢制御など日常生活に必要な行動のレベルを維持向上させることもできるものになります。
それゆえ、運動プログラムが画一化、固定化してしまわないよう、動作の多様性を含んだバラエティーに富んだメニュー提供がパーソナルトレーナーには求められると思います。

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