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4年もスタートアップを経営していた

社会の居心地をよくする会社、LeanGo CEOの平井です。
「プロが使う、サイト改善ツール」dejamを運営しています。
https://leango.co.jp/dejam/
まだ何者でもなかった1人会社が、早いことに創業して4期目が終わったので久しぶりに備忘録を残します。


屈強なメンタルを手に入れた

サービスの価値が上手く伝わらず全く売れない、売れてもいまいち価値が伝わらない時期を乗り越えたり、財布事情を認識せずに経営していたらキャッシュアウトしかけてたとか、人が辞めたりとか、経営者の通過儀礼をしっかり経験し無事にメンタルが強くなりました。
いずれにしても「なんとかしなきゃ終わる」ことが多すぎて、しのごの言わずにさっさと対処して気持ちを切り替えるのというある種のドライさ、経営者が漂わせている雰囲気というものはこれだったのかと理解しました。
トラブルとかはないに越したことはないけども、順調にだけ経営がうまくいくことなんてないですし、スタートアップというそもそもの無理ゲーにおいては、屈強なメンタルをもちつつも楽観的に考えていないと経営者をやっていけないんだろうなと思いながら今日も生きています。

余談ですが俗にいうハードシングスって「XXが理由でキャッシュアウトしそうだった」という話が多いので資本政策しっかりしましょう、という話に帰着しますね。

事業の天井を認識できるようになった

商談をするお客さん、ディスカッションをするVC、競合サービスの成長率、情報元は様々ですが自社サービスの成熟と共に、サービスを作るときに描いていた市場規模とのギャップを正しく認識できるようになりました。

弊社サービスのdejamはWebマーケティング業務をドメインとしておりますが、その中でも特にWebサイトやLPのCVR改善に使うツールです。
そもそもの立ち上げ背景でいいますと、起業前に自身がリクルートでUXデザイナーとしてCVR改善業務に従事していたこともあり「自分がドメインマスターであること」「市場が顕在化しており事業として儲かる可能性があること」という観点で確実性が高い事業の作り方をしました。
その結果もあり今では上場している広告代理店の12.5%が導入(もちろん多くの事業会社にもご導入いただいています)するなど、順調な成長を続けています。

順調ではありますが発生している課題としては、市場が正直そこまで大きくないという事実に伴う、いわゆるスタートアップと定義してよいか分からない成長率です。
「そこまで」なので正しく事業運営をする分には全く問題ありません。ただ、「社会を変えたいと息巻くスタートアップが取り組むほどなのか?」という目線では微妙なのかもしれません。
現にディスカッションさせていただいたVCからの評価も、「これは上場したとして100億いけばいい方ですね、実際に上場している企業では。。。(売上や利益を割り戻すと以下略)」と、全ての意見が正しいかはさておき、第三者のご意見ながら納得感もありました。
ただ結局のところキャッシュアウトしてゲームオーバーにならない限りは挑戦し続けることができるのが経営ですので、思ったより高くない天井と認識をすれどステークホルダーに価値を提供できている限りは継続しますし、更にアップデートをしていきます。

マーケティング市場は広告額そのものを抜くと小さな市場の集合体です。だから資本力のある上場企業は買収でバリューチェーンを伸ばし、 LTVの向上を図っています。
一般的なマーケティングツールは「1プロダクト1ソリューション」が基本です。
しかし弊社が運営するdejamはマーケティング業務のバリューチェーンそのものを改善する設計ですので、バリューチェーンに乗る機能は無制限に追加実装できるのが圧倒的な強みです。
去年の振り返りブログではその強みを書いたなと思い出したので割愛しますが、この設計思想はサービスの運営期間が長くなるほど効力を発揮していることを実感します。

高い視座を手に入れた

経営者の器以上に会社は成長しない、なんてことをよく聞きますがなくはない話だと思います。
そのような可能性がある中で去年の夏頃、社員関係者より第三者割当増資を実施した少し前のお話。

上述の通り「自分たちがやっていることが、このままだと思ったより大きくならない」ということを認知し、それを隠さず社内に共有しました。
市場の半分もシェアを取れていないので正直ピンときていないメンバーも多かったものの、代表として「時価総額2000億上場を目指そう」と発信しました。
決めた数字自体に深い意味はないですが、ここ数年のIT系サービスでそれを達成した会社はメルカリさんやビジョナルさんと、数えられるほどしかありません。
2000億を作る事業計画ってそもそもなんなん?という話はありつつ、彼らの会社に属する社員の能力や人員数、そこと比較して自分たちは何が足りていないのか?(まぁ全部なんですけど)、のギャップを認識することが大事です。

そしてそこまで高い目標になってくると、実現難易度の高さ故に工夫せざるを得ないのでブレイクスルーの発生頻度を増やせる効果があるなと実感しています。
逆にその長期視点を理解できずに離脱してしまったり、大きすぎるギャップに匙を投げる人も出てきますが、中途半端な目標は誰も幸せにしないんじゃないかと思います。
ビックマウスじゃないと気付けない世界線もあるので、皆さん是非お試しください。

採用しないといけない人がわかってきた

弊社メンバー、実は過半数がリファラル採用です。
今までの採用方法も「まぁ知り合いだし何とかなるでしょ」とか「仕事を作って渡せばいけるでしょ」くらいの性善説で、深く考えずに採用をしてきました。
当たり前ですがそんな採用の仕方では駄目で「何を解決しないといけないか」が前提でありつつ、「本当に急いで解決しないといけないのか?」と問えないといけません。
めちゃくちゃ伸びているスタートアップ以外は、基本的に人を採用する必要はないのでアウトソースでも良いまであります。(人材がダブついてバーンレートが上がるだけなので)
それでも採用じゃないと駄目な理由をちゃんと考え、本人の趣向(何をしたいか、何を大事としているか)、カルチャーフィットをしそうか、は見定めが必要です。
スタートアップは不確実性の塊なので短期思考の人は向いていないですし、どうしても働き続けてほしいのであれば長期ビジョンをしっかり伝えて短期でのtodoがなぜ発生するかのすり合わせをしないといけないんだろうなと思います。(今期こそはちゃんとやります)

地に足つけて経営できるようになった

スタートアップというとやはり「急成長!」という発想になりがちですが、正直ラッキーパンチ(ex.なぜかバズるとか)とか広告費用に突っ込んで一時的な成長をしたとしても継続成長しているサービスはあまりないと思います。
シンプルに事業作りは難しいですし、誰でもできるなら「ヒトモノカネ」の揃ったメガベンチャーがガンガン新規事業を当てまくるはず。
方法論は腐るほどある中で結局は「何の財布をリプレイスするの?」「その財布は本当に大きいの?」に尽きるので突飛なことで当てるのは相当の天才しか無理そうです。
結局のところ確率論の話に帰着するので、コストを抑えてたくさんの事業検証が必要になります。
その確率を少しでも高めるには、事業を当てるべくして当てにいく必要があり「何の財布をリプレイスするの?」「その財布は本当に大きいの?」の二点を事前にしっかり見立てないといけなかったなと思います。
ただ言うは易しで大きいと思っていても普通にスモールビジネスにしかならず「あれ?なんか思ってたのと違うな?」というのはよくあります。

そんな事業作りをする中で大事なのは自分たちが生き残れるか事実ベースで理解する「PL」「BS」「資金繰り表」をちゃんと見ること、これが4期での最大限の学びだったかもしれないです。(超初歩的)
今までは何となくのざっくり理解で「PL」のみを見ていましたがそれによって数千万円の未回収金に気付けていなかったり、不要な出費が積もってバーンレートを逼迫するなど、反省点は非常に多かったです。

これは再現性がきっとある学びなので共有すると組織コンディションがよくない時期には不要な出費が発生しがちというのが明らかになりました。
例えば忙しくて誰かに相談できずとりあえずアウトソースをする、とか。
本来は頭を使って工夫したらお金がかからないことの方がほとんどなので、単純に努力を怠るのはよくないほんと。

スタートアップの市況感がM&Aに傾く空気を感じる

大企業が安定して事業シナジーのある中小企業をM&Aするのは古来からありますが、スタートアップとの資本業務提携やM&Aがここ数年で増え始めているのを目の当たりにしています。
これは神々の政策として「たくさんのスタートアップがいれば確率論で凄いの生まれるよね」から「優秀なスタートアップは大企業に吸収してもらったほうがレバレッジは効くし超優秀ならユニコーン目指してね」に切り替わったことを意味します。
だとするなら起業する側も「ここの会社が困っている課題解決を目指して作ろう、なんなら運転資金も調達して事業を売る前提で運営しよう」といった社外新規事業部みたいな立ち回りの方が少しは気が楽になりそうですね。
経営者としてどういうときにM&Aしようとなるのかは大体以下ですが、これは結果論なので事前に目標を決めたほうがいいんだろうなと思いました。
・経営に疲れた
・経営に飽きた
・経営がうまくいかない
・他事業に集中したい
・高みを目指せる

というか我々はスタートアップなのか?を自問する

4年も経営したので5年目に入ったわけですが(進次郎構文)、スタートアップの定義に当てはまっているのか?破壊的なイノベーションで短期間での強烈な成長をしているのか?が怪しいよなと思ったりするわけです。
一時期悶々としてましたが、そのカテゴライズに意味があるのか?と結論づけました。
弊社パーパスは「社会の居心地をよくする」で、それを体現する事業を成長させ、ステークホルダーの幸福度をあげるとことに会社の存続意義があると考えています。
としたときに急拡大しようがなんだろうが、会社が経営され続ける、もとい事業が続いていることに意味があります。
ここ数年でスタートアップ世論として「売上より利益」に変わりましたが、一般的にどのような会社でも昔から言われていることです。
無理な成長より、まずは生き残ることが大事です。

生存戦略、しましょうか。


採用募集中

弊社の組織は「ビジネスプロデュース部」「システムディベロップメント部」という構成になっています。
リクルートやサイバーエージェント出身だったり、EYストラテジーアンドコンサルティングやデロイトトーマツなど外資コンサルティング出身のメンバーもいるので、業務上の小さなストレスは少ないかと思います。
あと亀や蛇や犬など非常に多様性に溢れております。
まずは自由が丘オフィスへお気軽に遊びに来てください。
広告代理店への支援が中心なので、広告代理店でのキャリアがあれば熱烈歓迎です。

連絡はTwitterでもHPに問い合わせいただいてもOKです。
Twitter : https://twitter.com/mrshoritv
HP : https://leango.co.jp/contact/

システムディベロップ部の募集要項

・サイト改善ツールの開発
・CRMマーケティングツールの開発

▼サイト改善ツールの開発
必須
・チーム開発経験2年or同等の経験
 - Gitを用いたチーム開発
 - コードレビューのご経験
・Nuxt.js,TypeScriptを用いた開発実務経験2年or同等の経験
・GCPまたはAWSの運用経験
 - 設計、構築のご経験
歓迎
・Firestore, Cloud Functionsを活用した設計、実装、コスト削減ができる方給与
現給与と相談

▼CRMマーケティングツールの開発
必須
・チーム開発経験2年or同等の経験
 - Gitを用いたチーム開発
 - コードレビューのご経験
・React.js,TypeScriptを用いた開発実務経験2年or同等の経験
・AWSの運用経験
 - 設計、構築のご経験
歓迎
・Amplifyを運用したご経験
・Next.jsでアプリを実装されたご経験
給与
現給与と相談

ビジネスプロデュース部募集要項

▼ビジネスプロデュース部の業務
・dejamの活用方法の提案
・オフィシャルパートナーへの支援
※売上向上や運用定着にコミットするコンサルティングという弊社独自の業務です

必須
・自己研磨できる
・建設的な議論ができる
・コミュニケーションにストレスを感じない
歓迎
・Webマーケティング業務に従事した経験
・大規模案件のコンサルティング実績
・定量的な実績
・自分が主体としてやり切った自慢できる実績
・Figmaを使える
給与
・現給与と相談

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