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できる上司は会話が9割 - 「困った部下」が戦力に変わる、コーチングのスゴ技


【書籍情報】

タイトル:できる上司は会話が9割 - 「困った部下」が戦力に変わる、コーチングのスゴ技
著者:林健太郎
出版社:三笠書房
定価:1,650円(税込)
出版日:2021年2月26日

【なぜこの本を読むべきか】

ビジネスを取り巻く環境や働き方も大きく変わり、人々の価値観も多様化し続けている。

これまでのような昇給や夜のお酒の席といった、いわゆる「ニンジン」をぶら下げた状態では、今どきの部下は動かなくなってきている。

本書は、「困った部下」の悩みを解決するのに絶大な効果を発揮する、部下との「会話」の仕方についてまとめた一冊だ。

リーダー育成家である著者が本書の中でこだわったのは、「自分が経験した本当のことしか書かない」ということ。

実際に現場で試してみて、その効果を確認した事柄や、他のリーダーたちと関わる中で得られた血の通った知見と、それらのデータを照らし合わせて一致しているものだけを厳選して伝えている。

本書は以下のような方々にオススメしたい。

■部下がいつも受け身で、自分で考えて動かない
■きちんと指示したのに、部下がその通りにしない
■陰で上司の悪口を言っていて、チームがまとまらない

上司としてあなたが働く上で、部下との関係は切っても切れないものだ。

「困った部下」が育つために必要なのは、上司が「個別化された会話」をつくっていくことである。

【著者紹介】

林健太郎

1973年、東京都生まれ。リーダー育成家。合同会社ナンバーツー エグゼクティブ・コーチ。一般社団法人 国際コーチ連盟日本支部(当時)創設者。リーダーのための対話術を磨くスクール「DELIC」を主宰。2020年、オンラインでの新しいコーチングの形態「10分コーチング」を開発。

【本書のキーポイント】

📖ポイント1

気を回しすぎると部下は育たない。

📖ポイント2

指示しただけでは部下に伝わらない。

📖ポイント3

仲のよさを追及してもチームはまとまらない。

【1】「部下が育たない……」に効く!

部下にとって、あなたは「チョロい上司」!?

「無理です」「できません」「どうしたらいいかわかりません」

諦めの言葉を簡単に口にする部下たちに、悩む上司は多いだろう。

だが、すぐ諦める部下を作り出しているのは、上司であるあなた自身なのだ。

たとえば、部下から「無理です」という諦めの言葉を聞いた時、あなたは「なんとかしなければ」と解決策を部下に指示したり、代わりに仕事を引き受けたりしてはいないだろうか。

あなたが部下に代わって解決策を考えてしまうがゆえに、部下は「どうせ上司がなんとかしてくれるから」と自分の頭で考えて行動することを放棄してしまう。

面倒な案件に出くわしたら、部下はそれを上司に回すのがクセになり、「そのために上司はいるんでしょ」くらい平気で思いかねない。

あなたは部下にとって便利な存在、言い換えればチョロい上司なのである。

部下に、ラクをさせてはいけない。

上司のあなたがラクになるやり方こそが、部下に「自分で乗り越える力」をつけさせることへと繋がる。

では、どうすればいいか。

逆説的だが「答えない」というスタンスを貫き通せばいい。

今までのようにあなたが解決策を考えるのではなく、部下本人が自分の頭で解決策を考えざるを得なくなる対話の流れを作るのだ。

具体的には、

➀部下が言った通り「復唱」する
②部下の発言に「合いの手」を入れる。

以上の2つを、実践してほしい。

➀の復唱とは、部下の話した言葉や内容を繰り返すという方法。

部下が「もう無理です」と言ってきたら、「もう無理なんだね」と繰り返す。

②の合いの手は、さらに突っ込んだ説明をするよう部下に促すという方法。

「それについて、もうちょっと詳しく教えてもらえる?」「それで?」「というと?」といった具合に。

もっとわかりやすいように、イメージを伝えておこう。

部下「商談先が値引きに応じてくれません」
上司「値引きに応じてくれないんだね(復唱)
部下「……」
上司「それで?(合いの手)

復唱と合いの手を継続的に実践していくことで、おもしろい変化が生まれていく。

解決策を考えてくれない上司と対面することで、さすがに部下も「自分で何とかしなければ」と腹をくくり、自分の頭で解決策や課題を克服する方法を考え始める。

大切なのは、部下の発言を途中で止めず、最後まで言い切らせることだ。

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