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先生、どうか皆の前でほめないで下さい - いい子症候群の若者たち


【書籍情報】

タイトル:先生、どうか皆の前でほめないで下さい - いい子症候群の若者たち
著者:金間大介
出版社:東洋経済新報社
定価:1,650円(税込)
出版日:2022年3月18日

【なぜこの本を読むべきか】

「最近の若者は打たれ弱く、繊細で、何を考えているかわからない」

このような言葉、一度は聞いたことがないだろうか?

本書は、大学生を含む現在の若者たちを対象とし、彼らが抱える複雑で微妙な心理を紹介した一冊だ。

本書は以下のような方にオススメしたい。

■若者との関わり方がわからない(大人目線)
■若者が自発的に動いてくれない(大人目線)
■基本的に目立ちたくない(若者目線)

「まじめでいい子」と称する反面、「何を考えているかわからない」若者を見て、大人たちは頭を悩ませていることだろう。

ここで一つ言うならば、彼らはとても怖がりなのだ。

若者たちは共感を、大人たちは驚きを、そして両者共に納得感を味わっていただきたい。

【著者紹介】

金間大介

北海道札幌市生まれ。
横浜国立大学大学院工学研究科 物理情報工学専攻(博士)。
金沢大学 融合研究域融合科学系 教授。
東京大学 未来ビジョン研究センター 客員教授。
著書に、『イノベーション&マーケティングの経済学』などがある。

【本書のキーポイント】

📖ポイント1

「言われたことはちゃんとやります!でもそれ以上のことはやりません!」もし、あなたがこのような思考を持つ若者なら、「いい子症候群」の可能性が高い。

📖ポイント2

「いい子症候群」はとても怖がりで、目立つことを嫌う。皆の前でほめられた瞬間、機嫌を損ねてしまうのだ。

📖ポイント3

「いい子症候群」は競争が大嫌いだ。横並び意識が強く、自分だけ分け与えられることに違和感を抱く。

📖ポイント4

「いい子症候群」は明確な指示があれば動く。逆をいえば、そうでなければ動かない。

【1】はじめに

いい子症候群の定義

詳しい内容に入る前に、本書に記された「いい子症候群」の定義を明確にしておこう。

年代は、大学生から20代半ばまでを想定している。

「いい子」の行動原則は、下記の通りだ。

■一見、さわやかで若者らしさがある
■5人で順番を決めるときは3番目か4番目を狙う
■言われたことはやるけど、それ以上のことはやらない
■タテのつながりを怖がり、ヨコの空気を大事にする
■授業や会議では後方で気配を消し、集団と化す
■一番嫌いな役割はリーダー
■自己肯定感が低い

まだまだあるが、書ききれないのでここまでにしておく。

【2】先生、どうか皆の前でほめないで下さい

1限だから1限に出る

社会人のみなさんは、学生時代の1限(大学では、1時間目ではなく1限と言う)に、どのようなイメージを持っていただろうか。

予想するに、さぞ嫌いだったことだろう……と、勝手に決めつけて申し訳ない。

何が言いたいかというと、最近の大学生は朝一の1限だからといって、出席率が下がることはあまりない。

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