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ミスを最大のチャンスに変えるリカバリーの技術


【書籍情報】

タイトル:ミスを最大のチャンスに変えるリカバリーの技術
著者:後田良輔
出版社:明日香出版社
定価:1,760円(税込)
出版日:2022年6月10日

【なぜこの本を読むべきか】

充実した毎日を送る人がいる一方、失敗に関する悩みを抱えている人も多い。

実は、世間で活躍するVIPと呼ばれる人たちも、毎日のように失敗し、苦しんでいる。

しかし、彼らは失敗のリカバリーがとにかく早い。

なぜなら、公式とも呼べるようなリカバリーのパターンを持っているからである。

本書は、失敗を簡単にリカバリーできる方法を紹介した一冊だ。

本書は以下のような方にオススメしたい。

■失敗を恐れて挑戦できない
■小さな失敗を抱え込みすぎてしまう
■仕事のミスを家に持ち帰り、私生活に影響が出ている

「リカバリーの技術」の効果は絶大だ。

難解なトラブルも、公式を使うことで簡単に解決していくのだから。

【著者紹介】

後田良輔

自他ともに認める「落ちこぼれ」だった過去を持つ。
その時の経験がきっかけとなり、古今東西の気づかいの方法を研究し、現在に至る。
ミッションは「世界から気づかいの悩みをなくすこと」。
全国の大学や企業での講演・研修依頼も多数。
新聞・雑誌などのメディア取材・寄稿は100回を超える。

【本書のキーポイント】

📖ポイント1

「GATEの公式」を使えば、失敗を効果的にリカバリーでき、成長も加速させることができる。

📖ポイント2

遅刻や仕事の納期が遅れるとき、相手が知りたいのは言い訳ではない。「できるか・できないか」の結論である。

📖ポイント3

「神は細部に宿る」と言われるように、うっかりミスをしたとしても、細かいところまで気を配れば、素晴らしいものに昇華できる。

【1】誰でもリカバリー上手になれる「GATE(ゲート)の公式」

「GATEの公式」~Goal~


著者は、デキる人だけが使っている失敗のリカバリー方法を、公式化することに成功した。

その名も「GATEの公式」。

以下4つの頭文字を取った、GATE(扉)を開けるためのカギのようなルールである。

■Goal(ゴール)
■Action(アクション)
■Technology(テクノロジー)
■Emotion(エモーション)

この公式を使えば、失敗したときに、「早く、一気に、完璧に」解決できるようになる。

まずは、Goal=目標を決めるから説明しよう。

ゴールを最初に設定するだけで、3つのプラス効果を得ることができる。

1つ目は、何をすべきかの具体的なビジョンを持てる。

人は先行きが見通せないと、不安になる生き物だ。

逆に、はっきりとしたゴールが決まっていれば、明確なビジョンが持て、想像以上に頑張ることができる。

2つ目は、時間を有効活用できる。

ゴール設定とは、「いつまでに・何をするか」を決める行為だ。

これを決めておけば、現在地からゴールまでの距離を逆算できるようになる。

時間的な制約がわかっていれば、物事の優先順位をつけることができるようになり、時間を有効活用できるのだ。

3つ目は、前向きな姿勢になれる。

失敗というネガティブなことが起こっても、ゴールに向けて少しずつ解消していくことが実感できれば、人はその過程にやる気を感じられる。

そんな前向きな姿勢を引き寄せるためにも、やはりゴール設定が役に立つ。

以上、リカバリーのために何をすべきか明確にできるだけでなく、ポジティブな気持ちにもなれる「Goal」。

使わないなんて、もったいない。

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「GATEの公式」~Action~


次は、Action=正しい行動について説明する。

「トラブルは初動が大事」と言われるように、自分本位な考えでいると、最初の行動を間違え、取り返しのつかない事態に陥ってしまう。

逆に、最初に正しい行動を取ることができれば、トラブルの解決はもちろん、相手の怒りも最小限に抑えることができる。

失敗対応で大切なのは、自分本位を捨て、望ましい結果(Goal)から逆算してプランを立てることだ。

では、どのようにプランを作っていけばいいのか。

ここで役立つのが、主語を入れ替えること。

適正な行動かどうかは、あくまで周囲が決めることである。

よって、自分ではなく、迷惑をかけている相手や周囲を主語にして、彼らが望むであろうことで判断していくのだ。

この周囲を意識した適正行動を検討した段階で、リカバリーの9割は決まる。

適正行動のためのポイントは、以下の4つ。

➀トラブルが引き起こされた背景がきちんと整理されていること
②理想とするゴールイメージを持っていること
③ゴールに必要なクオリティ(品質)を把握していること
④トラブル解決までの優先順位が明確になっていること

「解決することが絶対に無理」と思えるようなトラブルであっても、小さく分解して適正行動を取り続ければ、解決の道は開かれる。

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「GATEの公式」~Technology~


次に説明するのは、Technology=失敗をリカバリーする技術。

あなたは、小学校で習った「てこの原理」を覚えているだろうか。

「ほんの小さな力なのに、大きな力を生み出す」ときに使われる、物理の原理である。

実は、てこの原理のような魔法は、失敗のリカバリーにも存在する。

それが、1分間リカバリー術だ。

失敗も、原理原則を押さえた技術を知っていれば、1分でリカバリーできるものが多数ある。

まずは、真似でいいので、結果が出ている失敗のリカバリー術を実践してみよう。

ただし、注意点が2つある。

1つ目は、最新のものを選ぶこと。

どんなに優れた術でも、時代の流れとともに衰えていく。

たとえば、20年前の情報収集といえば、テレビや新聞だった。

しかし、近年ではSNSが一般的だ。

ツールが常に変わっていくように、リカバリーのテクノロジーも変わるものだと覚えておこう。

2つ目は、順番を守ること。

失敗のリカバリーには、「ゴールを決めてから適正行動を行う」という順番がある。

どれだけ結果が出るリカバリー術でも、向かう方向が違えば役に立たない。

必ず順番を守るようにしよう。

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「GATEの公式」~Emotion~


最後に説明するのは、Emotion=相手の感情に寄り添う。

ここで、とあるVIPの若手時代の話をしよう。

そのVIPは、懇意にしているクライアントにお見合いをセッティングしてもらったが、あろうことか寝坊して大遅刻。

お見合いは破談し、メンツを潰されたクライアントはカンカンに怒った。

しかし、重要なのはその後だ。

彼は遅刻の言い訳を一切せず、ひたすら「クライアントの好意を裏切ってしまったこと」に対してのみ謝り続けた。

感情に寄り添った謝罪により、クライアントは「どうしようもないヤツだ」と言いながらも、今まで以上に彼を可愛がるようになった。

結果、彼はのちに上場企業の執行役員にまで出世したという。

人は感情の生き物だ。

「本音と建て前」という言葉があるように、人の気持ちは2つ存在する。

建て前的には「正しい対応」が重要に思えるが、「迷惑をかけられた人の気持ち」に寄り添うことが、実は最も重要なのである。

では、このような魔法はどこから生まれるのか。

それは、「だけど」の印象である。

「お見合いに遅刻した。『だけど』、こいつはいいやつだ」

失敗したときに相手の気持ちに寄り添えば、「だけど」が生まれ、今まで以上に仲が深まることさえ起こり得る。

【2】遅刻、スケジュールや計画のミス

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