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「対話と決断」で成果を生む 話し合いの作法


【書籍情報】

タイトル:「対話と決断」で成果を生む 話し合いの作法
著者:中原淳
出版社:PHP研究所
定価:1,155円(税込)
出版日:2022年8月26日

【なぜこの本を読むべきか】

あなたは、「話し合い」が好きだろうか?

今、日本のいたるところで、「話し合い」が瀕死の状態に陥っている。

本書は、話し合いについて、イラストや図、事例をふんだんに使って紹介した一冊だ。

本書は以下のような方にオススメしたい。

■会議をしても何も決まらない
■メンバーが発言してくれない
■どのように話し合いを進めていいかわからない
■そもそも話し合うことが面倒くさい

話し合いは、他の人々と共に生きるための知恵であるにも関わらず、ネガティブなイメージを持つ人が多い。

しかし、それはあなたのせいではない。

ただ、「話し合いの作法」をしっかり学んだことがないだけだ。

【著者紹介】

中原淳

1975年、北海道生まれ。
東京大学教育学部卒業。
立教大学経済学部 教授。
立教大学 大学院経営学研究科経営学専攻リーダーシップ開発コース 主査。
立教大学経営学部リーダーシップ研究所 副所長。
著書に『職場学習論』『人材開発研究大全』など多数。

【本書のキーポイント】

📖ポイント1

話し合いは、「➀対話する」と「②決断(議論)する」から成立するものである。
よい話し合いでは、参加者たちが「今は対話の時間」「ここからは決断する時間」と認識できている。

📖ポイント2

本書では、対話について8つの要素が提示されている。
ここでは「ケリのついていないテーマのもとでの話し合い」の1つに絞って触れていく。

📖ポイント3

本書では、決断(議論)について5つのルールが提示されている。
ここでは「メリット・デメリットを明らかにする」「誰が決めるかを決める」の2つに触れていく。

【1】「話し合い=対話+決断」

「対話」と「決断」

話し合いは、「➀対話する」と「②決断(議論)する」から成立するものだ。

まず、「➀対話する」の説明をしよう。

簡単に言えば、お互いの意見の違いを表に出し、認識し合うコミュニケーションのこと。

たとえば、

「この問題について、意見Aと意見Bがある。2つは△△という点に違いがある」

上記のように、違いである△△の部分を明らかにし、メンバーの間で共有するイメージだ。

対話では、結論をすぐに出さない。

お互いの「違い」の理解を深めるコミュニケーションができてこそ、真の対話と言える。

次は「②決断(議論)する」の説明に移ろう。

どんなに対話を重ねても、最終的に決めることができなければ、物事を前に進めることはできない。

物事を前に進め、成果を出すためには、最後に必ず決めなければならない。

そして、「決める」ために必要なのが「議論」である。

議論とは、もともと「勝ち負け・白黒はっきりさせる」という意味を持つが、論破したり、相手を貶めたりしてはいけない。

AとB、どちらの意見(A)がもう一方の意見(B)よりも「優れている(マシである)」かを、理性的に比較検討し、最後に決める。

議論があるからこそ、決断ができるのだ。

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対話と決断のバランス

では、「対話」から「決断(議論)」に移行するには、どのタイミングで切り替えたらいいのか。

結論、対話の量がだんだん減っていった時だ。

「対話」の段階では、お互いの意見の違いを表に出し、共通の部分を探り、わかり合えない部分を探している。

そして、対話が進んでいくとどうなるか。

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