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伝票で殺す様子を生で見た話

ホストクラブにはVIPルームやVIP席が設けられている店も珍しくなく、セット料金が高くなっていたり、単純にVIP用だったりと、運用方法は店によって違っている。

細客なのでVIPなんて滅相もない!と言う感じではあるが、お姉さまが通っていたとある店だと指定席と言わんばかりに毎回VIPに座っていた。
その店はVIPルームではなく、隅のポツンと小島状になっている席をVIP席としていた。

もちろん、お姉さまがそれだけお金を使っていたと言うことにはなるが、一緒に行くとわたしもその席だったし、飲むとうるさいのでそちらの方が他の客にも迷惑になりにくく、店的にも色々都合が良かったのだろう。

ある日のこと、普通に楽しく飲んでいると、どこかの席でコールが始まった。
姫からの一言が、「わたしもVIPに座らせろ!!!」であった。

するとニコニコ笑顔で酒を飲んでいたお姉さまの目つきが変わったのである。
口ではニコニコしているが、目が一切笑っていない。
戻ってきた担当に、何やら耳打ちしている

しばらくするとドンペリが5本運ばれて来て、コールが始まった。
お姉さまにマイクが向けられる。

「わたしはどの席でもいいのでどーぞ♡」

相手が1本入れたドンペリを5本入れておいて、言葉と行動がちぐはぐである。
被りでもないのに容赦ない。
ちなみに今の時代、シードルだのブーブだのモエだのと色んなシャンパンがあるが、当時はドンペリが主流であった。
エンジェルとかアルマンドもなかったと思う。
(ドンペリコールと言うくらいだからね)

ああ、これが伝票で殺すと言うことなのだと身に沁みて理解したのだった。
何故かドンペリを1本丸ごと一気させられながら、お姉さまだけは怒らせたくないとぼんやり思ったのである。
悪ノリにも程がある。
(泥酔)(最後飲み切らんくてかぶった)(ホストかよ)

余談ですけど最近のホストってコールの時のマイクの一言長くね?(知らんけど)


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