マガジンのカバー画像

MATLAB関連

70
MATLAB関係の解説、コードを載せている記事
運営しているクリエイター

記事一覧

それってホントに Deep Learning が必要ですか? ~ MATLAB でファジィ推論イコライザー ~ 少ない主観ルールを元に高速推論

まえがき 最近は、なんでも Deep Learning ですね。 すさまじい成果を上げているのでもっともですが、大量の学習データが必要であり、推論時の処理が重いという短所もあります。 ということで今回は世相に反し、少ないルールで構築でき、推論処理も極めて軽いという特徴のある、ファジィ推論を取り上げてみましょう。 自分がファジィ推論をやったことがあるのは大昔で、最近のファジィ界隈がどうなのかよく知らないのですが、MATLAB の Toolbox 製品にもあるくらいなの

Xcode で iOS 用 AUv3 プラグインを作る ~ リングバッファ/ダブルバッファ方式 FIR フィルター ~ Simulink でメイン処理動作確認

まえがき なんか去年もそうだった気がするのですが、せっかくの桜満開の時期に天気悪くてがっかりですね。 今朝も桜を見に近所の公園に行ったのですが、雨が降ってきました。 やはり桜は青空バックで見たいです。 なので、部屋に籠もって AUv3 プラグインでも作りましょう! AUv3 プラグインとは AUv3 とは、Apple の オーディオ用低レイヤーフレームワーク Audio Unit をアプリ間で共有する Audio Unit Extension の最新規格です。 こ

MATLAB R2024a アップデートメモ

まえがき春ですね。 MATLAB アップデートの季節です。 そろそろ誕生日なのですが、その頃が花粉症の症状が一番ヒドいです。(~_~;) MATLAB で気晴らしするしかないですね。(-_☆) 気になったアップデート部分を列挙しておきます。 リリースノートをそのまま引用している部分もありますが、例が載っていない場合などは追加しています。 Editor / Live Editor・スペルチェッカー エディターにスペルチェッカーが入りました。  ビュー -> 確認

あなたは何歳から年金をもらいますか? ~ MATLAB で年金シミュレーション ~ datetime と datatip を使う

まえがき2000年の改正で、老齢厚生年金の支給開始年齢がそれまでの60歳から65歳に引き上げられてしまいました。 いきなり変わるわけではなく、男性は2013~2025年、女性は2018~2030年にかけて行われ、昭和28年4月2日~昭和36年4月1日に生まれた男性、昭和33年4月2日~昭和41年4月1日に生まれた女性は、それぞれ支給開始時期が異なります。 (この期間に生まれた人は「特別支給の老齢厚生年金」制度に該当する場合があります。  これは繰り下げで増えることはなく

2024 年版 Amazon Kindle 電子書籍「MATLAB で簡単オーディオ プラグイン開発 ~ 差分を pdf 配布

あけましておめでとうございます。 去年出した Kindel 本 すでに各記事の方では対応済みですが、最新の MATLAB に合わせた修正や一部内容のアップデート差分を pdf で公開します。 どなたでもダウンロードできます。 数式周りの環境が改善されていたら全体を書き直そうかとも思ったのですが、調べた限り変わっていないようなので本体のアップデートはやめました。(^_^;) 他の部分は現行版をご参照ください。 ・3-8 サンプリング(標本化)定理 ・4-4 トゥル

CEDEC2023講演 まとめ ~ イヤホンの頭内定位を解消する独自技術 AudiiSion EP とは

まえがきCEDEC2023 でコナミさんと共同講演した 「音場を広げる!~Amazing Bombermanのインタラクティブに変化する2Dサウンド制作事例~」 そこでご紹介した、イヤホンの狭い音場(頭内定位)を解消する独自の頭外定位信号処理技術 AudiiSion EP のまとめです。 HRTF とは・HRTF(音源~耳の伝達関数)は特性が複雑で個人差も大きく未解決要素も ・イヤホンでは HRTF が掛からないので狭い音場(頭内定位)に ・個人化 HRTF は手

MATLAB Flipbook Mini Hack に参加して ~ 2000文字でアニメーション

まえがきMATLAB Flipbook Mini Hack とは、2000文字以内の MATLAB コードで見た目綺麗なアニメーションを作りましょうというコンテストです。 応募期間は 11/6~12/3 の 4週間。 一旦提出すると、削除以外の編集はできません。 変更したい場合は、新たに Remix として出します。 他の人の Remix も OK です。 提出一件につき、一つのお気に入りに投票ができます。 最終的な Top10 に $50 のアマゾンギフトカー

音量やデータを滑らかに変化させる ~ 積分器で簡単に

まえがきVST 等、オーディオの内部処理で音量を変えたりする場合、急に大きく変えると波形が不連続となり、「プチッ」というノイズが出ることがあります。 そのため、音量を滑らかに変化させる必要があります。 (振幅が小さいところで切り替わると気にならず、テストでは気付かないことがあるので注意が必要です) ランプ関数JUCE のチュートリアルでは、前の Gain と比べて違ってたら、その間を applyGainRamp() によってフレーム内で滑らかに変化させる例が載っています

VST プラグインのプロトタイピングから検証までを MATLAB で ~ MATLAB の VST 生成機能を使う ~ データインスペクターでログ比較

まえがきみなさんは信号処理系のプラグインを作る場合、プロトタイピングや検証はどうされてますか? 私は、JUCE や Wwise でプラグインを作る前に、まずは効果を MATLAB/Simulink で確認し、MATLAB で VST 化してリアルタイム検証を行っています。 今年の ADC でも、「最初に MATLAB で作ってから JUCE にする」って言ってた方がいましたね。 "super helpful" と。(--)(__) Musical sound codin

トゥルーピーク ~ デジタルデータのサンプル間は直線ではない~デジタルの誤解を解く

まえがきオーディオ系のお話です。 この記事は Kindle 電子書籍 「MATLAB で簡単オーディオ プラグイン開発 : エフェクター・プラグインが数分~で作れる!(VST/AU)」 の「サンプリング(標本化)定理」と「トゥルーピーク」の項を抜粋して再編集したものです。 サンプリング(標本化)定理サンプリング周波数を Fs とすると、「最高周波数(広義には信号帯域)が Fs/2 未満の信号であれば、サンプリング周波数 Fs 以上の標本化によって情報の消失なしに離散化で

MATLAB のグラフをクリックでデータ表示 ~ マウスクリックキャプチャーとデータヒント機能を使う

まえがきMATLAB でグラフをクリックして、そのデータをスクリプト内で使いたいこととかがあるかと思います。 MATLAB でクリック座標を所得する方法は複数あり、目的によって適切な方法を取る必要があります。 今回はその方法を整理してみます。 データヒント機能と datatip 関数データヒント機能 MATLAB のグラフには、データヒント機能があります。 データ点にカーソルを近づけるとデータが表示され、クリックすると表示が固定します。 複数固定、個別または全削

MATLAB でカーソル込みのキャプチャー GIF を作る ~ カーソルも自動移動

まえがき「MATLAB R2023b (偏った)アップデートメモ」の円グラフのところに上げた GIF ですが、カーソル込みになっています。 また、カーソル自体もスクリプト中で移動させています。 カーソルはシステム表示なので、通常、カーソル込みでキャプチャーするには、MATLAB 外のキャプチャーソフトを使うしかありません。(R2020a 以降であれば、マウスポインター形状は figure の Pointer プロパティで変更可能です。カスタム形状も可) しかし、MATL

MATLAB R2023b (偏った)アップデートメモ

まえがきそろそろ秋ですかね。 MATLAB アップデートの季節です。 秋が一番好きなのですが、だんだん短くなってきているようで悲しいです。 MATLAB で気晴らしするしかないですね。(-_☆) メモ的に、自分に関係ありそうなアップデート部分を列挙しておきます。 Live Editor-タスク ライブエディター中のコードを選択して タスク への変換ができるようになりました。 変換が成功すると、新規ライブスクリプトが開いて挿入されると同時に「マイ タスク」に登

MATLAB アプリで地図表示 ~ geocoding API で住所・ランドマーク名から緯度経度変換 ~ 無料アカウントでもOK!

まえがき以前の記事で、MATLAB では基本機能として世界地図を様々な形式で表示できることを書きました。 しかし表示位置の指定には緯度経度が必要なため、住所やランドマーク名からは変換を行う必要があります。 geocoding API を使えばそれが可能ですので、それを利用して MATLAB アプリをつくってみます。 MATLAB Online でも動きますので、無料アカウントでもOKです! MATLAB Mobile でもアプリが動くようになると良いのですが、今のと