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春宵唄


吐いた息が
また
白くなるまで
ぼくはきっと
きみを想う


ずっと
ずっと
変わらないもの 
なんて
在りはしないから

きみを忘れてしまうまで
ぼくは沢山
きみを謳う


傷も
闇も
くちづけも
体温も

何もかもなくなったら

やっと

ぼくは
また
悲しむことを赦される


早春の木漏れ日
の合間

溶けゆく雪
を憂いて
降りそぼる
細い雨
の様に




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