きみが堕ちる夢を見た
目覚めたとき
ぼくは笑ってた
かじかむ指の
先は冷たくて
硬くて
きみの顔が
苦痛に歪むのを
巣食うぼくが
嘲笑う
たすけて
って
きみは言ったかもしれない
強くて優しい眼を失って
でも其れは
声にも
言葉にすらなっていなかった
そして
ぼくは
狂気
否
快楽
に
似て
おぞましくも歪んだ
ぼくの心
きみの
戦慄する貌こそ
愛しい
寧ろ
壊れそうな
その姿が
矢張り
ぼくは
瓦解してしまったのだろう
自我
も
良心
も
何処ぞに置いてきてしまった様だ
壊れてしまったから
泣くこともできない
凍える心
しかない
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