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環境が変わること〜2017年に入った2人の若鷹

「南橘北枳」という中国の故事がある。
人は環境次第で良くなることも悪くなることもあるという意味の故事である。
2022年の現役ドラフトで阪神タイガースに移籍した大竹投手が12勝2敗、防御率2.26の好成績をあげ阪神の優勝、日本一に貢献したことは記憶に新しい。
そして、去年巨人にトレード移籍することになった高橋礼投手。2人は2017年ドラフト組の同期入団。彼らがホークス新入団選手だった2018年の春期キャンプの話をしたいと思う。

宮崎キャンプ(2018.02.06)


2018年、会社から休暇をいただけたこともあり宮崎キャンプを観に行くことができた。初めて観に行くホークスキャンプということもあり、当時の中心選手であった松田選手や内川選手、千賀投手などを目当てに観に行ったのだが、そのキャンプで目に止まったのは高橋礼だった。
アンダースローの投手を間近で観たのは初めてだったが(球場で他球団のアンダースローの投手はみたことがあったが)イメージする軟投派ではなく、周りの投手と引けを取らないほど力強く球も速い。間違いなくこの選手はホークスのエースになると思った。そう早とちりした私は近くにいた森選手を差し置き高橋礼投手にサインをもらいにいったくらいである。

高橋礼投手のサイン


18年のポストシーズンから頭角を表し、19年は12勝6敗で新人王、20年はリリーフとして52試合に登板した。確実にキャリアを積んできているようにみえたが、21年あたりからピリッとしなくなる。イップス気味なのか四球が増え防御率が5点台に悪化、勝てなくなると22年は怪我に泣かされた。去年は再起を誓うも1軍では結果を残せなかった。(2軍では7勝1敗1S、防御率1.24と好成績だった)

別にホークスのコーチ陣の指導が悪かったのがすべての要因ではないだろう。ただ、会社員でも上司が変わったり、人事異動になったりした時、どんな環境でも器用に立ち回れる人がいる一方、調子を落としたり、本来の実力を発揮できない人もいる。

日本の会社員だったらジョブローテーションを重ねることで個人の適性の高い職務につけるようにしたり、最近では転職とかで自分の能力をより発揮できる職場に移動したり、選択肢は無限にある。

プロ野球選手のようにかなりのジョブ型雇用、かつ仕事(登板)のたび結果が常に求められる職業というのは会社員と比較するとさぞかし過酷な職業だと思う。ただ、どんな環境でも活躍できる選手よりもたくさん苦しみ、試行錯誤を繰り返しながら頑張ってきたと思う。

今年はオープン戦から好投し、開幕ローテ3番手を手にした。先週は勝ち星はつかなかったが、6回無失点。明日は、開幕から好調のベイスターズ戦。前回のように好投し、移籍後初勝利をもぎ取って欲しい。

※実はこのキャンプで堂々とした対応でファンからのサインに対応する育成選手がいた。大竹投手である。本当にプロ野球選手は誰が活躍するかわからない。

大竹投手のサイン

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