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#512 「甲研究所事件」札幌地裁(再々掲)

2020年5月27日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第512号で取り上げた労働判例を紹介します。


■ 【甲研究所(以下、甲社)事件・札幌地裁判決】(2019年3月25日)

▽ <主な争点>
うつ病発症に関する安全配慮義務違反など

1.事件の概要は?

本件は、甲社に雇用されているXが加重労働を原因として平成18年1月にうつ病を発症したところ、26年1月に労働災害の認定がなされた後、甲社に安全配慮義務違反があると主張し、損害賠償の一部請求として8271万円余(賃金の減額分約4875万円、逸失利益約3173万円ほか)の支払を求めるとともに、同社の労務管理の不備および上司の嫌がらせ等が不法行為に当たるとして、慰謝料等の支払を求めたもの。

2.前提事実および事件の経過は?

<甲社、XおよびAについて>

★ 甲社は、官公庁等からの受託調査研究、経営コンサルティングを主な業とする会社である。

★ Xは、大学院修士課程在学中に甲社にアルバイトとして採用され、修了後の平成8年4月から同社に正社員として入社した者である。

★ Aは、昭和52年4月に甲社に入社し、平成9年6月から調査研究第2部部長となった者であり、Xの上司である。

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<Xのうつ病発症と労働災害の認定について>

▼ Xは平成18年1月20日にうつ病を発症した。

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