受験期のイライラくらい大目に見てくれよ【僕の受験体験記】

明日は大学の入学式だ、なので手遅れになる前に受験中の高校時代の思い出でも供養して、新天地に身を投じる最終段階に入ろうと思う。

#受験体験記


「えーーと、さばみそくんが応募した指定校推薦の結果だけど…すべて落選しました」指定校推薦の応募から1、2週間後の結果発表での出来事、教室に担任の先生と一対一、席に着くなりすぐ言われた。

先生は目の前にいるはずなのに、僕はその言葉を理解するのにはかなりの時間を使った。

その時の僕は「高成績で委員会もやって、周りの職員たちからもいい評判だと思っていた僕がどうして推薦の選考に外されたんだ?」みたいな、傲慢さからくる悔しさよりも、今までの自分をすべて否定されてしまったという気分でいっぱいだった、人付き合いもほどほどに、全てを推薦のために費やしてきたような高校生活だったためか、受けたショックはデカすぎた、まじで三十秒くらい固まってた気がする。
今思うと、そんな僕に生易しい声をかけるわけでもなく「これが指定校推薦です」と割り切らせるように声をかけた先生には感謝しかない。

けれどそこからの記憶は一切ない、インスタで「推薦落ちた~(´;ω;`)」みたいな感じのストーリーを更新して、周りから「えーあのさばみそくんが?!」みたいな反応をもらって何とか生き延びていた気がするし、友達と寿司食べて傷を塞いでいた気がする。

しかし呑気に落ち込んでいられるわけではなく、僕のような無計画な人間にも容赦なく次を選択させられようとしていた。「あきらめて就職するか」「あきらめず一般入試か別の推薦をとるか」この二択だが、僕はもちろん後者を選んだ、ここまで来て諦められるわけがない。

僕が選んだのは公募推薦という推薦方式、ちなみに指定校推薦と公募制推薦の違いだけど、「推薦されに行く」のと「推薦しに行く」みたいなもんです。ぼーっとしたまま文化祭を終え、本腰を入れたのは十月の中旬だった。

公募制推薦に受かるための受験勉強、つまり僕の受験期が始まった。
十月から十二月のこの時期は本当に大変でした。
まずは親に受験料を払ってもらい(指定校推薦なら払う必要はない)放課後は鬼のような面接練習と小論文の練習に充てていた。別に指定校推薦に選ばれていたとしてもこれくらいはやっていた気がする、けれど「もしこれでもダメだったら?」という考えが常に僕の後ろについてきた、これでもダメだったら、僕は一般受験してやる意気込みだったが、もう自分には後がないということなんて僕が一番理解していた。

試験当日の3日前くらいの日、面接練習をしてくれた先生の目の前で我慢できずに泣いてしまった。あの時のことは今でも覚えている。

その時の僕は正直合格とかどうでもよくなっていて、僕がこの受験にさえ失敗したら、今まで支えてくれた親や先生たちを裏切ってしまうんじゃないかと怖くて怖くて仕方がなかった。怖くて怖くて、僕は泣いていた。

中学を卒業して一度も泣いてこなかった私は先生の前でぐずぐずになっていた。なぜ泣いているのか、必死に話しているのを先生は静かに聞いていた。聞き終わって先生はこう言った。

「さばみそくんはやさしいなぁ、でもさ、親や先生たちは君が滅茶苦茶頑張ってるのを知ってるんだよ?、不合格になっても、君を責めたり、君に怒ったりする人なんて誰もいないよ」

そんなことを言ってくれた。

視界が一気に開けた気がした、人は言葉一つでどこまでも変われる、きっとそれはこういう時のことを言うんだと感じた。

そこから受験当日の11月、合格発表の12月を通して、僕はしっかり大学生となって自分の人生にしっかりと歩を進めている。
僕の受験体験はざっくりいえばこんなもん。
いろいろあったけど、こういうことも含めて高校生活は楽しかったと振り返ることができてよかったよ思っている。

これから受験生になる人は、僕のような推薦一点狙いで挑むんじゃなくて、ちゃんと前もって準備するなり勉強するなりしましょう。
美談みたいに語ってるけど割とマジで後がなかったんで。

これが受験を受ける若者に届くのかはわからないけれど、あなたの今までの努力は絶対に誰かが見ています。その人はきっと、あなたが泣いてようが何してようが決してあなたを笑いません。
これを見た子供たちよ、どうか楽しい中学・高校生活を送れますように。

終わり


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