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note24目:ほぼ大谷翔平、の件

犬の散歩をしていると、よく人に話しかけられるらしい。

旦那は犬の散歩中、親子連れやらカップルやら、同じ犬の散歩中の人に突然声をかけられると言う。

当たり前だけど旦那は愛想よくない、会話も膨らませるどころか縮小させる男だ。しかし犬を介してのためか、挨拶や世間話をいろんな人にされるようになったのだ。

外ずらの社交性すらない旦那だけど、犬の話をするのは嫌ではないらしくちゃんと受け答えをしている。
よかったじゃん、と何から目線なのか私は温かい目話を聞いていた。


そんな旦那がある日をさかえに、こんな風に声をかけられるようになったと口にした。

「もしかしてその犬、デコピンと同じ犬種ですか?」



言わずもがな、大谷翔平(様)の飼い犬のデコピンのことだ。

嬉しそうにおずおずと質問されるらしい。

デコピンの犬種はコーイケルホンディエだけど、残念ながら我が家の犬種はビーグルだ。
長い耳や、色合いが似ているからか、聞かれるのは一回二回の話ではない。


デコピン初登場の時、私だって「ビーグルじゃない?」と旦那の肩をたたいたほどだ、間違えるのも無理はない。
ブラックの入っていない毛並みの、レモンホワイトという色合いのため、よりデコピンに似ていると思うようだ。

「翔平くんの犬ですか?」
「デコピンと同じ犬種ですか?」
「大谷翔平の犬と一緒ですよね?」



何度となく質問受け「違うんですよ~」と説明していると、私に報告する旦那の顔は不思議と嬉しそう。

私はふと、こんな質問をしてみた。

「うちの犬はデコピンと間違われるのに、なんであなたは『もしかして大谷翔平ですか?』って間違われないの?」



完璧、おちょくっとる。困惑する旦那を横目に続けた。

「デコピンと一緒にいるならどうしてあなたは大谷翔平と聞かれないの? こんだけ間違われるんだからほぼ大谷翔平じゃん! むしろ『大谷翔平ですか』って聞かれないことがおかしくない?」


「……そうかな?」

「そうだよっ!」
まくしたてると、旦那がもごもごと言った。


「確かに目と鼻と口があるし、二足歩行も同じだからたぶん俺は大谷翔平だと思う」

なんだそれ!! 人類みな大谷翔平じゃん!



素晴らしい回答にご満悦した私は「デコピン、大谷翔平がいるなら私は真美子夫人じゃん、やったー!」と、ゴロゴロとベッドを転がった。

「すごいじゃん」「やったね」「ハワイに別荘!」「あれ、年収……?」とケラケラと大きな声をあげ二人で笑った。


これが、昨夜24時のハイライト。


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