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note17目:500年後、日本全員『佐藤』さんという記事を読んで思うこと

4月頭に新聞で「500年後は全員『佐藤』」という見出しが目に入った。

夫婦別姓などいまだに議論されている問題しかり、根強い男性社会価値観がはびこっている世の中で新たな奇襲に思われる。
男性諸君(一部)の融通のきかなさで、日本全国「佐藤」さん計画は着々と進んでいるそうな(諸説あり)。

500年後に『佐藤』さんと聞いた時、きっと最後まで争う相手は『鈴木』さんだろうと思った。

『高橋』『田中』『伊藤』『渡辺』など名だたる苗字が国盗り合戦ならぬ姓盗り合戦を繰り広げ、誰もが自分の苗字を残そうと凌ぎを削る。

ありとあらゆるところで苗字を名乗ると、敵か味方かという厳しい目を向け向けられ人びとは暮らし始める。

おそらく500年後なのでAIを駆使した戦いなど古く、新たな知能で勝負しているに違いない。

そして『佐藤』バーサス『鈴木』の二極化した日本は自国の争いでいっぱいいっぱいになり、世界情勢にしだいについていけなくなる。

政治には『佐藤派』『鈴木派』という派閥までできてしまい、政策どころではなくなってしまい、己の姓のためにしか動かないので国内は荒れ狂い、若者中心に『無姓(苗字なし)』というギャングがはびこり、犯罪が増加していった。

一部では今は亡き苗字の末裔も虎視眈々と復活のタイミングを見計らっていた。

ある日『鈴木』家の娘と『佐藤』家の派閥トップの息子がスラムで出会い、恋に落ちる。

負けが見えている『鈴木』の姓を持つ娘は「私の姓はもう私は終わりです」としくしく涙を流す。

『佐藤』の息子は彼女のために姓を残してあげたいと奮闘するが、両親から「早くその子を『佐藤』に取りこめ」と叱咤されてしまった。

すでに愛を深めてしまった息子は「『佐藤』の名を捨ててやる!」と告げ家を飛び出し、『鈴木』の娘と一緒になる決意をする。

しかし『鈴木』勢は追われに追われ、夜逃げ同然に逃げ出した『鈴木』達と一緒に娘は忽然と姿を消す。

息子は愕然とし、己の姓に憤りを感じ、「もう誰も苗字で苦しむことのない世界にしてみせる!」と泣きながら心に誓った。

数十年後、息子は総理になり「苗字解放宣言」をする。

誰もが苗字を持ちたければ持てばいい、持ちたくなければ持たなくていい、好きに名乗っていいという政策を通し、日本はようやく苗字戦争の終わりを迎える。

もう一度娘に会いたいとずっと行方を捜していた息子が、娘の居場所を突きとめた時、すでに娘はこの世にいなかった。
息子は泣いて悔やんだが、娘の「来世は『鈴木』でも『佐藤』でもない本来の私たちでもう一度出会いましょう」という言葉に、下げていた顔を上げ前を向く。

もう二度と苗字で争いなどおきないように……(完)。



酒飲みながら旦那にこの話をしたら「ありきたり」だって! 
確かに私も忍者のあの話を思い浮かべたりしたけど! 

まあ、ありえるよね、苗字の戦い。
きっとなんとか自分の苗字のこそうとする動きになりそうじゃんよ。

新聞記事一枚でこんなにも話が弾んだわが家は今日も平和だ。


だけど私も結婚する際の、苗字変更の手続きには辟易した。

会社休まないといけないし、あらゆる場所に出向かないといけないので不便極まりなかった。

できることなら、「選ぶことができる」という選択肢をどうか作っていただきたい。

かしこ。

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