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note7日目:挑戦する姿は美しい

昔から高校野球が好きだった。プロ野球でもメジャーリーグでもなく高校野球だ。

体格も技術もメンタルも、まだまだ未熟でつたなくて、ちょっとしたところでくじけてしまうところも含めて全部が好きだ。

春の選抜よりも夏の甲子園がいい。なぜならば「最後」だからだ。
後がない、負けたら終わりのギリギリところで闘うあのがむしゃらさにいつも強く胸を打たれる。
高校野球は九回裏の逆転がよく起こる。三アウト取るまで諦めずに粘るのだ。たえてしのいでかわして、なんとか次につなげようと食らいつく。テレビ越しに見ていて、つい泣いてしまいそうになる。
ああ、素敵だな、ああ、綺麗だな、と。

勝敗はどうなるかわからない。けれど仲間を信じ自分を信じ、これまで頑張ってきた努力を信じそこに立っている真剣な表情が、どうしよもなく私の心を震わせる。

この気持ちを「青春っていいな」と片付けてしまうことは簡単だ。
上から目線で斜に構えて「若いからだよ」ともう自分にこないのだと諦めていたような気がする。
私は高校生になりたいわけでも、野球をやりたいわけでもなかった。
彼等を見ていいなと羨ましく感じていたのは「一生懸命頑張る姿」だ。
勝敗が必ず出る中で、無我夢中に泥だらけになって向かって行く姿勢を、私もやりたいのだと思った。

友達がアイドルになると言い出した。四十過ぎて歌を歌い出した。
小さい頃にアイドルを見て憧れてなりたいと言っても、「そんなの無理だよ」という親や周りの言葉を鵜呑みにして諦めてしまったと言う。

だけど彼女はもう一度夢を見た
時計の針を戻すことはできないけど、あの頃の純粋な夢を、あの時描いた無邪気な夢を、叶えてあげたいと動き出したのだ。
ライブでステージに立って、歌って踊って大歓声を受けている彼女の姿が球児と重なる。
美しいなと思った。

いくつになっても夢を見ていい。
言うはたやすいけど、実際実行にうつせるかどうかの最初の一歩を踏み出すのは案外難しい。お金や年齢、環境などやらない理由はいくらでもあげられる。恥をかくだろうし、落胆もするだろう、どう見られているか怖くて足がすくむこともあるだろう。
でも、それは大きな問題なのだろうか。

ピッチャーとバッターの二刀流を今の世の中で「無理」と言う人はおそらくいない。でもきっと言い出した当初は何度も「無理」だと言われたはずだ。だけど彼は夢を信じて、自分を信じて進んだ結果、誰よりも注目される選手になっている。
その人にも最初の一歩があった。
始めたから始まったのだ。始めなければ始まらない。
誰にでもつたない一歩がある。


挑戦している姿は美しい。
私含め、みんなすぐに結果を求めるけど、向かっている過程を楽しめたら最高だ。
どうなるかわからないのが人生のはずなのに、安心安全な先の見えた確定した未来を欲しがってしまう。だけど大谷翔平を見て、藤井聡太を見て、どうして私たちはワクワクするのだろう。

それは、彼等が挑戦しているから。
「無理」だという価値観をくつがえす瞬間を見させてくれるからだ。彼等の中に自分の可能性を見出すからだ。

でも挑戦するのは彼等だけじゃなくてもいい。
「あなた」でも「私」でもいいのだ。

自分の挑戦にエールを、誰かの挑戦にエールを。
夢に向かっているあなたは素晴らしい。


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