見出し画像

MEA後に気づいたこと  その8                             361名の術後3月または12月の自由記載とVASスコア  

MEA後なのに貧血の改善が遅れる場合もある

  MEAで出血量が改善した後、3か月もすれば女性アスリートをしのぐ検査結果になる方がかなりおられます。しかし、いっぽうで、鉄欠乏性貧血からの十分な回復にはさらに何カ月も要する方がおられます。過多月経が長く続いた結果、貯蔵鉄が全くなくなっている方は、MEA後に数回の月経出血がなくなるとその分は血色素量が上昇します。しかし、血色素の重要な成分である鉄がまたっく不足していると、十分に血色素は作られません。
 鉄欠乏性貧血からの回復には鉄剤を服用していただくのが早道です。服用できない方には、鉄剤の静脈注射は素早く貧血を改善しQOLの回復を実感できる価値ある治療になるでしょう。

MEA後に太ってくるというお話。

 大量に出血する重い貧血状態が、MEAによって大きな侵襲なく無月経に近い状態に変わると、QOLが改善します。血液中には赤血球などの細胞成分のほか、たんぱく質などが含まれています。出血として失われる血液を生産するためには、血色素の成分となる鉄はもちろんですが、血液中の他のたんぱく質の原料も十分摂取する必要があります。
 MEA後に突然、摂取した栄養素が有効に使われるようになると、赤血球内の血色素量だけではなく、血漿中のたんぱく質の濃度も上昇します。このような血液の改善に摂取した栄養素が使用されている間は体調がよくなるだけですが、その後も治療前と同じ食生活を続けて運動をしなければ栄養摂取量が過剰となります。おもに貧血に原因がある疲労感が消失し毎日の食事がおいしくなる時期に食生活をそのままにしたいのなら、余剰の栄養素が脂肪ではなく筋肉になるように生活に運動を取り入れる必要が出てきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?