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ひねもす日記

欲望が尽きない…

 ブラック企業に勤めていた頃は、「定時に帰宅したい」「残業代ほしい」「潰れない会社」あたりが夢だった。
 「潰れない」はわからないが、非正規ながら大体定時に帰れて残業代の支払われる職場に転職して、私は夢の生活を手に入れたはずだった。
 色々満ち足りたはずなのである。私は7年前の悲惨な状態からは考えられないような恵まれし日々を送っているのだ。
 しかし人間とは愚かなものよ。「これで楽器を習えたら」だとか「修士取りに行きたい」だとか、欲望が尽きない。

 そんな事を考えていたら、私から見たら更に恵まれしさぞ幸福であろうと見上げる方の口から「人生こんなもので終わりそうだよね」といった言葉を聞いた。
 ただちょっとわかる。もう少し社会がまともだったら、もっともっと持てるお力を生かせたでしょうにと、傍目にも惜しいと思うようなところがあった。
 私から見たら羨ましいようなものをお持ちの方々でも、色々あるのだろうなあ。

しかし幸せとは

 しばらく悩みだった足の痛みが鶏眼(ウオノメ)だったと診断され、しかも皮膚科で削ってもらってすぐ治ってたいへん幸運だったので、気持ちが軽くなっていた。
 夫と食べたかった台湾まぜそばを食べに行き、帰りに、ずっと行ってみたかった昔ながらの名曲喫茶に寄る。とても幸せな一日だった。
 翌日はオンラインで読書会。こんなに恵まれた話があるか。私もっと社会貢献しないと! と、思うのだが、それでも私達無力なんだよな。これだけの環境がありながら、私達の賃金は安くて、毎日の労働時間は長くて(私は短めだけど給料は安い)、何か社会にシェアしたいと思っても、時間も余裕も全然足りない。

 もしかしたら、前述の人「こんなもので終わりそう」には、もっと日本社会が違ったら、もっと他人のために貢献して生きる事が出来たかもしれない、という事と連動しているのではないか。
 いま、日本では博士号を取ると就職が困難である。学歴も大学までならともかく、大学院以上になると特定の職業にあぶれるとまともな賃金で働けない。学識豊かという事にあまりにも無関心な社会だ。世界中、どことでも繋がる事ができるオンライン環境がありながら。この幸せはほとんどシェアできない。

 悲しく思う。ひどい雑然とした文章になった。

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