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ファッションのウェブマガジンを作っている、大学生です。お時間がありましたらぜひのぞいてみてください。 https://www.lenvica-webmagazine.com/

最近の記事

アンカウンタブルになりたい

昔、私は何にだってなれた。 一番の人間、せめて二番の人間でいれば、大人たちは褒めてくれた。だから頑張って、勉強もたくさんして、そんな人の部類に入ろうとした。頑張ればきっと何でもなれる、と安直な考えを抱いて。 でも私は憧れた彼女になれない。 どんなにどんなに頑張っても彼女は私じゃなくて、私は私にしかなれなかった。一方、人が私になることは簡単だった。彼女のように海外で生まれたわけでもなければ、ミステリアスなセンスもなく、人を惹きつける絵を書くわけでもない。何より、私の特徴は全部

    • 呪いのように忘れられないもの

      呪いのように忘れられないもの。離れたと思ったもやっぱり戻ってきてしまうような、そんな物を私は持ってる。 先日、先輩のでてるミュージカルを観に行った。舞台に立つという夢を追い求める者達の物語だった。 ミュージカル、私にとってそれは恋のようで。音楽を聴けば今でも心は鼓動を速めるし、足はステップを踏む。そして忘れていた想いがそっと船に乗って戻ってきた。ゆらりと揺れて。私は小学校入学前から中学三年生まであるミュージカル劇団に所属していた。お世話になったお姉さん達、泣きながら行った自主

      • ティーンエイジャーの苦悩ーthe breakfast club

        高校の時、いつも無限の楽しさと向かい合わせにブラックホールのような不安があった。お母さんの言うこともお父さんの言うこともこっちから見たら筋の通ってないことばかりで、ちょっとはこっちの気持ちにもなれないわけ、って思っていた。高校卒業して一年経って、バイトも経験し、インターンも経験し、種々雑多の私にはどうにもできない出来事も経験した今では、ちょっと大人の言うことも分かる気がする。そして、私が現在高校生の弟に思うように、可能性が億個の高校生のうちにたくさんのことをしておくべきだと思

        • 太陽と北風

          旅人のコートを脱がせるのはどっちかって話。旅人はコートを吹き飛ばすような寒い北風よりも自分を包み込むお日様の暖かさに動かされてコートを脱いだ。教訓は冷たい態度よりも暖かい態度の方が人の心を動かすということらしい。それも、急がず時間をかけた方がいいと。 でもそれって不公平じゃないのかな。だって北風は北風を起こすことしかできない。どんなに頑張っても北風は太陽にはなれない。彼なりのやり方で頑張ったのに、認めらなかった北風が私はとても気の毒である。 風はコートを脱がせられなかったけど

        アンカウンタブルになりたい

          どんより天気は自分だけだと思ってた-映画「レディ・バード」に見る自分-

          小さな日本の、狭い東京。毎日人の息遣いが聞こえるほどの距離で電車に乗って、40人で一部屋の教室に閉じ込められる。そんな生活に閉塞感を感じて、私はアメリカに住むことに憧れた。 しかし、留学先で私が滞在させてもらった家にいた女の子、彼女こそが本物のアメリカ人だった。私がドラマで見た、アメリカ学生の、パーティ三昧、学校ではロマンスがあって、親に怒られたりするけどそんなの全然オッケー、そんな生活は完全に夢物語で、彼女は私と同じ人間だった。 髪の色はいつもクレイジーで、自分の世界を持っ

          どんより天気は自分だけだと思ってた-映画「レディ・バード」に見る自分-

          人生物語 -ミナペルホネンのつづく展から-

          何だか、一冊の分厚い本を読んだようだった。皆川明さんの考え方、感じ方、生き方、そしてミナペルホネンの物語がたくさん詰まった本。実のある、とはこういうことかと思った。 一言にデザイン、と言えばそれで終わり。しかし、ラインを綺麗に見せるとか、服の色やそんな類のものの他に、メッセージを織り込むことができるのがデザインである。メッセージ、と書くとちょっと安っぽいだろうか。音楽で言えば、かっこよくてノれるビートよりも、歌詞の内容のようなイメージである。そこにはきっと、デザイナーの考えや

          人生物語 -ミナペルホネンのつづく展から-

          LGBTQについていわゆるマジョリティーと言われる私が考えること。

          最近までLGBTQにおいて私の中にまだ葛藤があった。その人々の気持ちや感覚がまだ少しわからないところというか腑に落ちないことがあったのである。もちろん私は当事者ではないから当たり前のことでもあるし、わかったつもりで意見を言って苦衷に偽善的な同情なんていらないだろう。でも、じゃあどうされるのがこれらの人々にとって生きやすい世の中になるんだ?って考える。 しかし、最近、私がしっくり、あ、こういうことかもしれないと思ったことがある。 私は派手な格好が好きである。でもそれは必ずしも万

          LGBTQについていわゆるマジョリティーと言われる私が考えること。

          実像を作りたい -モノから卒業する-

          お気に入りだった人形を捨てた。 不思議だ、あの頃は彼女がいないと生きていけなかったのに。この子さえいれば夜のトイレだって、ママに怒られた日だって、全部全部乗り越えられたのに。そんな思い出があっても人形とさようならするのは簡単だった。子供、の象徴であるし、大人、と成長した今じゃ人形の助けなんて要らないものだって誰にでもわかるから。 お気に入りだった服を捨てようと思った。 これが難しかった。卒業の指標はどこからどうやって判断されるのだろう。 昔、派手な服を着れば簡単に個性が生まれ

          実像を作りたい -モノから卒業する-