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どんより天気は自分だけだと思ってた-映画「レディ・バード」に見る自分-

小さな日本の、狭い東京。毎日人の息遣いが聞こえるほどの距離で電車に乗って、40人で一部屋の教室に閉じ込められる。そんな生活に閉塞感を感じて、私はアメリカに住むことに憧れた。
しかし、留学先で私が滞在させてもらった家にいた女の子、彼女こそが本物のアメリカ人だった。私がドラマで見た、アメリカ学生の、パーティ三昧、学校ではロマンスがあって、親に怒られたりするけどそんなの全然オッケー、そんな生活は完全に夢物語で、彼女は私と同じ人間だった。
髪の色はいつもクレイジーで、自分の世界を持ってて、友達が多い子であった。もし、私が家での彼女を知らなければ、クールだな、って思っただろう。でも裏ではよく泣いているのを見たし、自信満々で頭も良くてセンスも抜群なのに、よく自己嫌悪にも陥っていた。アメリカに行ったらないものだと思っていたどんよりは、彼女の中で息苦しいほど健在で顕著だったのである。
レディ・バードはその点とてもリアルである。誰かの生活を覗いてしまったような居心地悪さと痛いほどわかる気持ちと自分だけではないんだという安心。主人公、レディ・バードと彼女が重なり、さらにその中に自分を見た。大きな夢を語るくせに自分の能力も勇気も足りず、何かを打破したい気持ちでいっぱいだった自分を。でもそれを変えたいと言う気持ちは私の大きな原動力ともなった。アメリカに留学し、大学に無事合格し、完全に何もない自分から脱した今でも、それはまだ私に働きかけている。
もう二度とあのもがいた日々には戻りたくない。苦しいだけだから。だけど、その自分がいたからこそ今日の自分がいる。過去の自分を今沢山可愛がってあげよう、と思った。よく頑張った、ありがとうってね。

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