たかぎれお

LymというバンドのGt/Voです。 歌詞について。

たかぎれお

LymというバンドのGt/Voです。 歌詞について。

最近の記事

Fairy tale.

蛹の中身をみんな見た事はあるだろうか? どんなに美しい蝶も一度蛹になる。 蛹の中はドロドロの液状になっていて 決して美しいとはいえるものではない。 けれどそこから少しずつ形を成し、羽化する。 ・・・夢見た少女・・・ 子供の頃から私はお姫様とか、 空を飛べる魔法をかけてくれる妖精とか そう言ったメルヘンな童話とか 御伽噺が大好きだった。 純真無垢なあの頃の私は、 そんな素敵なお話の中みたいに 最後は運命の人が現れて 私の心を奪ってそのまま幸せな人生を 歩めるんだろうと思っ

    • 雨音、火照る、爪を立てる

      ・・・気になるあなた、隣の芝生・・・ かっこいいなーって思って 話してみたら更に同じ趣味まであった 運命かも、なんて思ったけど もう既にあなたには愛する人がいて、 幸せぶりをSNSに載っけていた そんな子より私の方が! …なんて思ったけど 容姿も性格も、何もかも勝てる気がしなかった なんて僻んでる私が惨めで仕方なかった。 叶わない恋に落ちて数ヶ月、 その彼女のSNSから二人の写真が消えていた。 --- ・・・凹むあなた、浮つくわたし・・・ 聞けば彼女に振られたらし

      • 終止符は君が打った.

        ・・・安寧、将来、当たり前・・・ 彼女と付き合って一年半、 別に好きだけどワザワザ言葉にはしない そういうのは散々言ってきたし 多分言わなくても伝わってる。 そう思ってた。 大抵のデートスポットなら行ったし 特に行くところもないし 彼女も何も言ってこないから 二人で出かける頻度も減った。 それでも俺は彼女のことを愛していたし、 彼女以外との未来は想像していなかった。 なんだかんだ世の恋人達なんて こんなもんだろう… いつか君と結婚して 幸せな家庭なんか作ったりして…

        • 君が上書きされていく。

           この前まで付き合ってた恋人に恋人ができたらしい。 なんともやるせ無い、そんな簡単に次の人に行けてしまうのか、無情だ。と感嘆しても事実なのでどうしようもない。  今思えば、振られる前の一ヶ月くらいはなんだか君がよそよそしい感じがしていた。 携帯の画面を見えないようにいじるし、手を繋いでもあまり握り返してこないし、セックスも断られるし、言葉数も少なかった気がする。 だから『話があるから電話してもいい?』と言われた時、 皮肉にも察しがついたのはそういうことだろう。 電話で別

          あの人を重ねて

          散々引きずって、忘れるためならと思い 考える事をやめ、目の前の甘い蜜に集る その時点で情けなくて嫌になるけど、 そんな事も煙草の煙と一緒に飲み込んだ。 夜は心に良く無い、あなたを思い出すから。 --- 一年前までは煙草なんて嫌いだったはずなのに今ではしっかり生活の一部になっている。 あの人の影響で始まったその習慣は、関係が終わった後も私に染み付いている。 別れてからといえば、適当に友達と遊んだり、 仕事をしたりしてなんら変わらず進んでいた。 でも何か生活の一つの軸を失っ

          あの人を重ねて

          あなたが未だ漂う

           振り絞った最後の言葉は、貴方の心に掠りもせず空を切った。 強がってまた逢えるように放ったその言葉はこれから来るであろう孤独な毎日を簡単に連想させた。 細く拙いけれどまだまだ続くものだと思っていたそんな私と貴方の関係も存外、容易く終わってしまうものだったらしい。 ---------------------  私達の一年と数ヶ月は、嫌というほど互いを知り、どうしようもなく愛してしまうには充分な時間だった。 初めはキスすらぎこちなかった二人も気付けば息をする様に唇を重ねていた

          あなたが未だ漂う

          8mgの鬱憤

          『ただいま』 私の声が、リビングへと続く少し狭い廊下に響く。 聞こえないおかえりになんだか少し不安を覚え、上手く脱げない靴に苛立つ。 帰るのが遅くなってしまった。 帰ってきたことをアピールする様に、 音が出るくらいの勢いでクローゼットの前に荷物を置いた。 まぁ、いつもの事か。 そう思いベランダの方に目を向ける。 案の定、網戸の向こう側には煙を纏いながら同じ画面を眺め続ける彼がいた。 煙草の火が点滅する度に彼はふうっと深く煙を吐いた。 私が話しかけるまできっと彼は、私