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ショートケーキとプリン

 昨日は早朝からの仕事を終えた後、世話になっている先輩と合流して立ち飲み屋で5時間、カラオケ3時間。久しぶりの会合までの間にいろいろあったから、慰労と憂さ晴らしの意味も込めて。

 そして今日は休み。昨日の疲れで昼前に起きた。冷凍庫の整理をしていこうと、月末に賞味期限が迫っていたすき家の牛丼の素、2袋を使い切る。あと残すはエビドリアだけ。

 1年半暮らしたこの街とも、たぶんあと1ヶ月もすればお別れになる。たぶん。いろいろあったから、じゃあ東京に来なければよかったんじゃないかと思うこともあるけど、動いていなかったら、それはそれでどうなっていたかと思うと、総体で見たらこっちの方がきっと良かったのだろうなとは思うので、あまり考えないことにしている。

 ゴロゴロしながら、川嶋佳子ことシソンヌじろうさんの「甘いお酒でうがい」をもう一度Kindleで読み直す。才能だなと。観察眼、心の描写、静かな一コマ一コマが今は沁みる。

 晩飯を買いにいつものスーパーに行く。今日はチープな方の寿司売り場に美味しそうな海鮮丼が売っていて手を伸ばす。あては揚げ物でもよかったけど、近頃ぬくくなってきて、もうすぐなくなってしまうお気に入りの一人鍋ですき焼きもとる。贅沢。

 帰りには妻子が来た時にはよく買っているケーキ屋さんに一人で入る。こんな白髪混じりのボサボサ髪のおっさんが、スーパーの袋を提げて入ってきたら、キモいと思われやしないかと無駄な心配をしながら、それでも入る。一人だからショートケーキだけで本当はよかったけど、「一つだけください」というのが恥ずかしくて、どうしてもほしいわけではないプリンも言った。

 ショートケーキとプリン。店員さんはどう思うのかな?子供のいない夫婦のだんなが妻に買わされているとか?おっさんが2つとも食べるとかはあんまり思わないだろうな。いや、そう思うと気持ち悪くなるからあえて思わないようにとか。ていうか、そんなこと考えてないか。

 こんなおっさんの、たった2つの品物でも、ちゃんとした箱に入れて、大切そうに袋に入れてくれた。スーパーの袋とケーキの袋。両手に提げて、いつもの路地を抜けて帰る。1年半で結構見慣れた景色。家々の壁の模様を眺めてたら、何だかにじんでみえた。やっぱりおっさんだからかな。

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