見出し画像

正しい目を培うのは演説者を胡散臭く感じるだけでいい

つい先日、高校の教師が日本の将来について自慢げに語っていた.昔の日本と今の日本を時価総額で比較し、今の日本は世界トップ10の時価総額合計に入っていないと述べ、「これからあなたたちはこういった時価総額トップレベルの企業を目指さないと将来安心できない」といったことを喋っていたように思う.

僕はその時心底絶望した.勿論僕は教師ではないから教育に関して偉そうに言うつもりはない.しかし私は「情報は人をよく欺きたがるな」「この人はどこまで知って情報を伝えているのか」と残念な気持ちと疑問の気持ちがあった.

確かに今の日本は昔の日本のような世界トップレベルの企業を作り出せていない.

多分この情報を見て日本は世界に置いてかれた.失われた30年だった.と嘆くかもしれない.しかし日本に失われた30年など存在しない.

実は人は直ぐに比較したがる脳を持っているのだ.人は常に経験を蓄積していく動物で,その経験によって危機の察知やリスクを事前に考える事ができる.これを「自己保存」と呼ぶのだが,これが邪魔をしてしまう.

例えば今日話題に挙げられることの多い「生成AI」の問題点に関しての記事を読んだ時面白い意見があった.それは「カンペキではないから」だそう.

実際、生成AIは完璧な情報の把握と出力が行えるかと言われればそうではない.機械学習によって出力される情報のスピードには限界があり、今の総理大臣は誰ですか?と質問して菅総理と答えてしまう.(生成AIの質にもよるが.)

他にも専門的な知識が必要となる分野ではAIが情報を間違って出力してしまうハルシネーションの問題もある.そういった部分から日本ではリスクを考え生成AIを敬遠してしまう場合が多いそうだ.

しかし韓国やアメリカは違う.とにかく利益中心で効率化を目指すため使えそうだったら導入してみる動きが強い.だから資本主義のようなスピード競争では勝てる確率が高い.

今の例を出しても日本と海外(今回は韓国とアメリカ)で比べた場合日本企業は劣っていると感じるかもしれない.しかし、そこで注意したいのが情報は大量に存在すると言うことだ.

今の話だと生成AIの導入スピードに関しての比較だった.しかし私が見た記事ではその後に生成AIを利用した後のサービス改善のためのフィードバッグが充実しており、より質の高い生成AIの展望が期待できると書いてあった.要は導入に敬遠がちでも導入したら最高の質を発揮できるように改善を大きく前に進めることができるのだ.

ここが韓国やアメリカよりも日本の勝っているところだと述べていた.他にも最初に例を出した時価総額も同じである.今の世界時価総額ランキングのトップの多くはテック企業が多い.特にマイクロソフトやNVIDIAといった半導体関連会社も多い.半導体産業で遅れをとっていると思われがちな日本はそうではない.世界の半導体材料生産のシェアは日本が48%、アメリカが9%と圧倒的に日本が上回っている.

他にも1位にAPPLEがランクインしているが主力であるiPhoneの内部機械の多くが日本製であるのも事実だ.カメラ部分にはsony、バッテリーテープにはNittoと他にも多くの企業が一つのiPhoneを完成させるために尽力している.しかしその事実を知っている人は何人いるだろうか?

少なくとも自慢げに今の日本を語っていた高校教師は知らないのでは無いだろうかと思う.情報というのは大量に存在し、比較する軸も大量に存在する.

その時に「自分の国はダメだ」とデメリットばかりを見つめていても状況は悪くなる一方だ.その点軸を変えて今の日本が世界シェアで多くのトップの座を築いていると考えれば少し心は楽になると思う.

人はすぐに悪い部分を見てしまう癖があるのでメディアは常に日本が明日終わるかのような口調で述べるが実際はそんなことない.と感じられるだろう.

まずは情報でも演説者でも胡散臭く感じることだ.そして胡散臭さを払拭する為に情報を集める.それが今多くの人に必要な力だと感じる.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?