見出し画像

「ソール・ライターの原点」に感化されて、スライドプロジェクターを買ってみた

先月観に行った「ソール・ライターの原点」。作品もさることながら、ポジフィルムをそのまま観られるライトテーブルやカラースライドプロジェクションが素晴らしい展示でした。

そういえば私もポジで撮った写真があったよねと思いついて、スライドを映写できるプロジェクターを買ってみました。

ということで、今回は展覧会番外編です。(以下、出てくるのは私のへっぽこ写真なので閲覧注意!)

眠っていたポジフィルムの在庫

パリに毎年行っていた頃。いつも一眼レフを持参して、数回目からはポジフィルムで写真を撮っていました(ネガよりポジの方がプリントが高いこともあって、最初はネガで撮っていた)。

当時はフリー素材も今ほど流通していなかったので、あわよくば仕事で背景とかに使えるかなと思ったのもあります(メインビジュアルとして使えるとは思ってない)。

ところがすぐに写真もデジタル主流になり、撮った写真はマウントして専用のファイルに収めてそのままに。たまに出して眺めるくらいになっていました。

これ、プロジェクターがあれば映して見られるじゃん。

メルカリでプロジェクターを探す

35mmフィルム用のスライドプロジェクター。今どき、普通に売っていないだろう、ということでメルカリで探しました。(ヤフオクでもあるみたい)

探す基準としては、使い方には自信がないので説明書付きで、安めのもの。手動(なんてあるのかなと思ったけど、もしそうだったら面倒なので)ではなく、自動で(スイッチを押すだけで)スライドが切り替わるもの。

昔事務所で見た、スライドをセットするところが円形になってるプロ仕様(たぶん)なのもありましたが、さすがにそれは高価なので断念(仕事で使うわけじゃないし)。

わからないなりにいろいろ見て、2,800円で配送は着払いというのを買うことにしました。諸条件(取説付きなど)に加えて、マガジンが多めについてくるのも決め手です。

購入したは良いものの、果たしてどうやって使うのか、到着するまでわかりません!

“充実した基本性能と簡単なリモコン操作で
拡大映写が楽しめるオートマチックスライド映写機”

マガジンのおまけがあったため、想像以上の結構大きな荷物が届きました。配送料は税込2,010円。

早速試しにスライド数枚をセットしてみます。使い方は簡単で、ちゃんとリモコンもついていました(懐かしの有線リモコンだけど)。

味わい深い取説、ならぬ「使用説明書」

使用説明書の「ごあいさつ」にはこうあります。

本機は、充実した基本性能と簡単なリモコン操作で拡大映写が楽しめるオートマチックスライド映写機です。

キャビン工業株式会社/オートキャビンII 使用説明書「ごあいさつ」より

なんとも昭和な感じの紹介。わくわくしますねー。

俯瞰から見るとこんな感じ。写真で見て下側がレンズ。


プロジェクターにはいろんなタイプがあるようですが、ある程度連続して映写できそうなマガジンがついている(とはっきりわかる)ものを選びました。

“持ち運びに便利な把手”もついています。“ポータブルレコードプレーヤー”みたいなノリでしょうか。

参考までにこの機種の使い方を簡単に言うと、

  1. 電源コードを本体に接続してコンセントに差し込む
    これでファンが回り出し、まあまあ大きめの音がします。

  2. あらかじめスライドをセットしたマガジンを本体に差し込む

  3. 本体うしろのスイッチを押して点灯
    前面のキャップを外すと、壁に光が映ります。

  4. リモコンを押して画像を写し、ピント調整。
    ピントもリモコンで調整可能。

  5. リモコンのボタンを押すごとに、スライドが切り替わります

うしろのスイッチ。これでレンズから強力な光が。
スライドは天地逆に差し込みます。
マガジンを差し込んだところ。リモコンは格納されている。
高さを出すために踏み台に乗せてみました。
光を出すと俄然かっこいい!
手前についているネジで角度調整可能。


壁までの距離で投影される大きさが変わります。白壁を確保したものの、足りなくて家具などにかぶってしまったのも、なんだか風情があります。

これはニースだったかな

記憶の断片を見ているようなスライドショー

もともとピントが甘いものもあったんですが、デジタルのクリアな画像と違って壁に大写しにした写真は、映画に出てくる回想シーンのようでした。

ヴォージュ広場の最後の一葉

実際に自分で撮った写真ですから、自身の記憶をアウトプットしたようなもの。なんともノスタルジックな気分になります。撮影した時の気持ちを思い出して、キュンとすることも。

スライドを切り替える時のカシャ、カシャという音も味わい深い。心地よい。

思いつきで買ってみたスライドプロジェクター、期待以上に楽しめました。

難を言えばランプが熱くなるので、あまり続けてはできないこと。見終わった後は少しファンを回しっぱなしにして冷やす必要があります。それがなければつけっぱなしにしておきたいくらいなんですけど。

子どもの頃、祖母の家に遊びに行くと、時折伯父が8mmフィルムの上映会をやってくれました。それが当時としてもすでにレトロな雰囲気たっぷりで、妙に好きだったんですよね……。スライドプロジェクターはあの時の感じに似ています。

父が昔、親戚や同僚などを撮ったスライドがあるので、これで見られるかどうかやってみて(紙のスライドなので引っかからずに)行けそうなら、今度家族に見てもらうのも楽しいかも。

パリの秋の色が部屋の壁一面に。

おまけ(大失敗)

スライドを全部見終わったら、マガジンを本体から外すんですが、角度に気をつけないと大変ことになります。
うっかり一度、全部床にぶちまけてしまい、拾い集めてもう一度セットする羽目になりました(泣)。

この記事が参加している募集

買ってよかったもの

いただいたサポートは学費や新しいことへのチャレンジに使わせていただきます! スキ!やフォローも励みになります!