見出し画像

人は、聞きたいことを聞きたいように聞くもの

先日、市議会議員2期と市長2期のご経験のある方、
ここでは仮にAさんとして、
Aさんの講演会を聞きに行ってきました。

当日の午前中はぎりぎりまで仕事があったので、
昼イチの講演会にはお昼ご飯抜きでギリギリセーフ。

ひとまず、ホットコーヒーだけは
会場近くのコーヒーショップで買えたので、
会場に持ち込んで、空腹を紛らわせました。
それくらい参加したかった、
Aさんは女性、地方自治界隈の伝説の方なんです。

結論から言うと、空腹なんて忘れるほど
集中して、夢中で聞くことができました。

主催は、ある自治体の男女共同参画センターです。

なので、主目的は「男女共同参画社会」。

男女、とはひとつの例で、
あらゆる違い、個性を包摂した社会を目指す、
とうのが、この講演会のメインテーマで、
それに沿ってもAさんもお話を進められました。


誤解を恐れずに言うと、
聞く人というのは、自分が聞きたいところを、
「聞きたいように聞いているもの」です。

特に、1人対大勢の、こういう講演会では余計です。

1対1のコミュニケーションがないうえに、
約2時間も一方的に言葉が投げかけられます。

すべては覚えられないし、
講師先生のおっしゃるすべてを
すぐには理解できないし、
かみしめて理解する前に次の言葉が投げかけられます。

すると脳は、選別を始め、
自分に必要な、自分が欲しい言葉はしっかりと理解し、
自分にピタッとこない言葉はサラサラと流し、
頭に残った言葉と物語をかみしめ、
自分の心にしみたと感じます。

これが、「聞きたいように聞いている」状態。

そういうものだと思います。
人って、
聞きたいことを聞きたいように聞くものなんです。
だから、大切なことは短く話せって言うんです。
長くなると言葉が多くなって、
聞き手の脳内で取捨選択されてしまうんです。
私のnoteは、いつも長文。悪い例かもねー。


Aさんの18才から64才の約50年近くの人生を
振り返ってお話しされました。

聞く人が歩んできた経験、置かれた立ち場、役割。
その違いによってAさんの話された内容は同じでも、
どこに熱を帯びるか、
どこが重くて、どこが軽いか、
聞く人の状況によって異なるものです。

子育て中の方は、
キャリアに悩み、やりたいことは何かを自問自答する
Aさんのライフステージに共感するかもしれません。
離婚経験のある方は、
離婚協議のなか市長選挙に出る判断をする
Aさんのライフステージに共感するかもしれません。
仕事経験を積んできてリタイアした方は、
リタイア後、今までの経験を生かして大活躍の
Aさんのライフステージに共感するかもしれません。


同じことを同じ時に聞いているのに、
誰一人同じようには聞いていない。
聞き手のバックグラウンドが違うと、
そうなるものです。

Aさんはそれをわかっていて、
Aさんの今回の講演を、
Aさんを偶像化する、つまり、私ってすごいのよとお話したいのではなく、
聞く人の今を後押しするような話をしたいと願って
お話しされてると私には感じました。

途中の例え話で、
『自分の心に残っている言葉がいくつもあるが、
後々、発言した本人や周囲に聞いてみると、
みんな「そんなん言ったっけ?」と驚かれることばかり』だとおっしゃいました。

そのとき、会場内には、
Aさんが心に残ったという言葉をメモする方が大勢いました。
Aさんは、「この言葉が大切なんじゃないですよ」と
にこやかにおっしゃっていました。
確かに、お話の趣旨は、その言葉が大切なのではなく、
自分の置かれた立場、役割によって、
聞きたいように聞く、
つまり、
自分が欲していることが聞こえるのだという、
例え話でした。

だから、Aさんは、
Aさんの今日の話を、
自分が聞きたいように聞いて欲しい、
つまり、
自分が考えている、置かれていることの「後押し」として
聞いてほしいと、おっしゃってると感じました。


後押し。

人のお話は、「私の後押し」にしてしまうべし。


いや、そのとおりすぎる。
Aさん、すごすぎる。


ということで、
今回のご講演を聴いて、
私の心に最も響いた、心に残ったAさんの言葉は、
「お願いされたら断らない」です。

他にもあるので、ぼちぼちnoteしようかと思いますが、
まず一番はこれです。


Aさんもおっしゃっていたように、
人生、キャリアの8割は偶然の出来事。
「こうしよう!」「こうなりたい!」
そう思って実現することばかりではなく、
ほとんどが偶然。
迷っているうちにたどり着いてる。

自らが持ち合わせるべきものは、
好奇心
持続
柔軟
楽観
冒険心


そのとおり。

私もそうだと思うんです。



だから、今、
与えられているもので、
お願いされたことで、
精一杯やろう、改めて思いました。


私の条件。
女性というのも、51才というのも、
この顔も、身長も、体も、声も、
神様が私に生きることをお願いした条件。

仕事も、公務員になりたいとは思ったけど、
今の業務をしたいと思ったわけではなく、
誰かが、
私ならこの仕事ができるだろうと、
やってくれるだろうと、偶然お願いされた仕事。

お願いされたことは断らない。

そして、
誰かにお願いされるような人になろう。
それが、偶然でできてる世の中での生き方。



そしておまけ。

こういう講演会が終わったら、
心を動かされた人々が講師の周りを囲んで、
順番に話をしようとするものです。

例に漏れず、この講演会の後も、
Aさんをぐるりと囲む人の輪が何重にもできました。

私も囲みたい気持ちがありましたが、
囲む人々のあまりの熱量に、
その場にいた知り合いと少し話して、
囲みの様子を見て、あきらめて帰りました。


こういう最後に講師を囲む人は、
たいてい一生懸命講師先生にお話しています。
そして、たいてい自分の話をなさっています。

質問ではなく、たいてい自分語りです。
たいてい講師先生は、うんうんと聞く側にいます。

そう。
人は聞きたいように聞くし、
そうやって聞いた人は、
話し手が自分の後押しをしてくれていると思うし、
そしたらその話してに対して、
安心して、饒舌に
自分のことを話したくてたまらなくなるものです。




私の言いたいことを受け止めてくれるnoteに、
改めて感謝です。
いつも言いたいことを長文になっても聞いてくれるnote。

そして、
最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。
とても幸せです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?