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メグとお尻と乾電池

※性的な描写を多分に含みますので、苦手な方はここで閉じて下さい。

終盤の話です。

僕が20代後半の夏。


井上先輩(仮名)と同じ店の話になった。
先輩は店の常連で、メグという女性を指名してるらしい。
メグは美人で技術もあり、ナンバー1だという。
僕はフリーで入っていたが、メグに当たることはなかった。
先輩によると、メグは人一倍プライドが高いらしい。


夕方5時、開店と同時に中へ入りウーロン茶を飲んで待機した。
隣に座った女性は、おもむろにタバコに火をつけた。

「名前は?」返事がない。

彼女は少し吸ってから『メグ』と答えた。

なるほど先輩の言う通り、まあまあの美人だ。胸にも質量がある。

僕は「じゃ、お願い」と先生を登場させた。制限時間30分なので急いでいた。

メグは2本目のタバコに火をつけた。

「時間ないからさ、早くしてよ。○かせる自信あるの?」
『大丈夫。お兄さん初めて?』
「メグちゃんは初めてだよ」

メグは火を揉み消すと、僕のウーロン茶を勝手に飲んで、先生にアタックした。
先生は上体を起こしていたが、しばらくしてもフィニッシュには至らない。

『クスリやってるでしょ?』
「やってないよ!おかしいなー」

店内アナウンスが流れた。
「7番シート メグさん、心の準備〜♪」
残り時間5分ということだろう。

メグは登場時の余裕が嘘のように、激しいムーブを見せた。先生以外の場所にもアタックする。

何が何でも僕をフィニッシュさせるという、強い気迫を感じた。

「7番シート メグさん、お別れ乾杯〜♪」
アナウンスと同時に、メグはエアコンのリモコンを手に取った。

『お兄さん足上げて、もっと上げて!』
言われるがままにすると、メグは取り出した乾電池を僕のお尻に突っ込んだ。

「痛えー!」
ひねりに対して身を回転させると、乾電池が中に入ってしまった。

大変なことになった。
暗闇の中だが、僕の顔は蒼冷めていただろう。

『待ってて!動かないでね』
足を上げながら呆然としていると、メグが缶切りみたいな物を持ってきた。

「痛えー!!」
『待って、取れた。もういいよ』

僕に背を向けたメグは、先生用のおしぼりで乾電池を拭いていた。

急にメグの背中が愛おしくなり、後ろからメグの肩を抱いた。
「ありがとう。今度指名するから名刺ちょうだい」

メグはやっと笑顔になった。



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