毒親からの独立

先月中旬、家にあった1番大きな紙袋に詰められるだけのものをつめて、家を出た。

実験量が1番少ない曜日、朝一で家を出て、市役所に急いで行った。ものすごい荷物を持ったまま自分で国民健康保険加入をしたいと話をしていたら、市役所のおばさまに同情されてしまったりもした。

まだ学生さんなのに?てっきり春から就職で保険変わるんだと、、大丈夫?何かあったらちゃんときて相談するんよ?って。

余計なお世話、と思う人もいるだろうけど、1人で社会というものに足を踏み入れた初日に出会えたのが優しいおばちゃんだったことに私はどこかホッとした。同時に、心配だからという名目で私の全てを縛り付けておきながら、こうやって本当の意味での心配など全くしないんだよなあの2人は、とも思った。

そのまま研究室に行って、何事もなかったかのように実験をこなしたのち、大学の先輩と電気屋さんに行った。ポイントが溜まってるから、ポイントで買ってあげる、と、まだなかったドライヤーを買ってもらい、タイ料理を奢ってもらった。引っ越しをするにあたって、この大学の先輩以外にもたくさんの先輩やちょうど卒業で出ていく同級生に助けてもらったおかげで、家にあるものはほとんど自分で買っていない。私が毒親から独立できたたった1つの理由は、金銭的にも知識的にも精神的にも物理的にも支えてくれる友人の層が厚かったからでしかない。

そしてその日は夜10時過ぎに帰宅し、シャワーを浴びてすぐ、男友達と、寝落ちするまで電話をした。実家ではできなかったことをこれまでもかというほど詰め込んだ一日だった。我ながら子供っぽいとは思う。それでも、清々しく、小さな幸せをたくさん感じることができたのでそれで良かったのだと思う。

引っ越しして落ち着いたので、これから少しずつ、毒親から抜け出したいと思っている人に実用的な記事を書きたいなと思っている。ただ、1つここで1番大切なことだけ書くとしたら、「味方はたくさんいるし作れる」ということだろうと思う。親という1番身近な人間が味方から程遠く、また、親に罵倒され価値のない人間として扱われていると、世の中に自分の味方などいないと思うかもしれない。でも世の中には、私たちのような人のために一生懸命働いてくれている人がいて、自分が思ってる以上に自分のことを気にかけてくれる人がいる。そのことにもっと多くの人が気づいて、毒親から抜け出すことがで来たらいいなと思っている。




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