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『ヒトの社会の起源は動物たちが知っている: 「利他心」の進化論』エドワード・O・ウィルソン

社会生物学の巨匠が、自然科学と人文科学を融合させて、人間とアリ等の社会的行動に関する長年の考察をコンパクトにまとめた著作。

生命の発生から言語の発生までの進化過程の全てがヒトの身体の中に痕跡があるとし、一つ上の段階に行く困難な過程の中に個々の細胞小器官や個体が全体に資するような働きをする利他主義が必要だとする。

ただ、アリやヒトのように繁殖能力に劣る個体(働きアリや高齢女性)を含む協力分業という「真社会性」を有する種は希少で、種の発展に不可欠なのかどうか。

論争的なテーマと分析だが、示唆に富むことは間違いない。

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