『社会はどう進化するのか——進化生物学が拓く新しい世界観』デイヴィッド・スローン・ウィルソン
進化生物学者が、社会を進化論的観点から分析し、実践を促した意欲作。
共有資源管理の成功要因である「強いグループアイデンティティと目的の理解」等の中核設計原理を、近隣社会、企業等に普遍的に適用することで、共通の目標達成のための協力が生まれると主張。
引用事例も印象的で、各檻の中で最も多産の鶏を繁殖に回す方法では超攻撃的な株が生じて産卵率が落ちたが、最も多産の檻の全ての鶏を繁殖させれば互いに友好的に振る舞い、多産が続くと言う。
個人に全てを還元せず、小集団が社会的組織の基盤との考えは、公共政策の変革にも示唆的だ。
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