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人を頼る練習

高齢の患者さんを診察しています。
皆さん元気です。
でも歩くのが遅くなったり、去年ほどは動けないと話します。
話しながら、でも自分がやるしかないのよね、とつぶやく。

今は、有料無料のボランティア、行政の制度などがありますが、その活用法は複雑。
頼むのは手間だし、息子娘に聞くのも億劫と、不便を感じながらなんとなく生活を続けている様子です。
介護保険の申請を依頼することもありますが、そこまでいかないまだ動けるけれど生活が縮小している人たちは、70歳後半から80歳前半。
がんばれるけれど、ずっとは頑張れない。

私としてはこの時期に頼る練習をしてほしいのです。
例えば歩きが遅くなった時杖を使って欲しい。
でも、高齢者の選択は杖を使わず、出歩くのを制限してしまいます。
いかにも、自分は以前と同様に歩けますという程で。

人を頼る練習はあるいみプライドを捨てる練習ということかもしれません。
風呂掃除が辛ければ、短時間の家事をお願いする。
あるいは、外のお風呂に入って自宅のお風呂を使わない。
電球を替えるのが大変だったら、近所の電気屋さんに頼む。
あるいは思い切って隣の家の人に話してもいいかもしれません。
新しいお付き合いが広がるかも。
民生委員や地域のお巡りさんが廻ってくれたら、こんなことに困っていると話す。

自分が困っていることを言葉にできないと、困った〜困っている〜では相談された方もどうして良いかわからなくなります。それを、自分の判断力に余力があるうちに練習して見ましょう。

歳をとったなと自覚する前に
1.変化を自覚する練習
2.困り事とを言葉にする練習
3.頼る練習

頑張り屋さん、出来る人ほど、してほしい生き抜くための方策です。
私もはやすぎるといわないで始めます。

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