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大学入試の本人確認

琉球大での入試で珍しいミスが起きたそうです。

大学入試では受験生は必ず指定された席で受験するのですが、
このニュースの件では、➀自分の受験番号と似た番号の席に間違って着席し、かつ、➁その席の受験生は欠席し、かつ、➂間違えて座った受験生は答案用紙に席に貼られた受験番号(欠席した受験者の受験番号)を記入したため、欠席した受験生の成績として大学に処理されたそうです。

しかも、④替え玉受験を防ぐために実施している写真照合で受験生が間違った席に着席していることに試験監督者が気づかなかったことが重なり、最終的に欠席した受験生に合格通知が届くという事態になってしまったそうです。

➀➂は受験生のおっちょこちょい、➁はものすごい偶然なのですが、④写真照合で大学が防げたのでは?との声が挙がっています。


受験生は出願時に本人の写真を提出し、大学はこれを写真票にし、受験当日に受験している人が本人かどうかを確認します。この作業を「写真照合」と我々は呼んでいます。

正直、写真照合で厳密に本人確認するのは難しいかなと私は思っています。


まず、新型コロナウイルス感染症が5類に移行しても、受験時にマスクを着用する受験生がほとんどですので、顔全体を確認するのは、試験開始前の写真照合のためにマスクを外してもらうほんの一瞬だけです。

スケジュール通りに試験を開始しないといろいろとめんどくさいので、限られた時間で写真照合を終わらせます。

したがって、試験監督者はまじまじと受験者の顔をのぞき込んで写真票と見比べることはありません。

ちらっと見て、同じ顔っぽいなと確認する程度です。

写真撮影時と当日の髪型やメイクが大きく異ならなければ、問題ありません。


しかし、たまにいるのですが、年内に写真撮影し、年明け以降にフライングで大学デビューしてしまった受験生は、受験時の見た目と写真が大きく異なり、我々、試験監督者を非常に困惑させます。

顔をよく観察する時間もないですし、まさか「本人ですか?」とは聞けません。

顔の骨格とかから何となく確認するのが精一杯です。


それから、受験に使用した写真がそのまま学生証に使用されることがあるため、できるだけイケてる写真を学生証に使いたいという気持ちから、盛った写真を受験時に使う受験生もいるみたいです。

確かに、出願時に提出した写真をそのまま学生証に使うと受験案内に明記している大学もあります。

これは事務局の手続きの簡略化という意味もありますが、替え玉受験による不正防止の意味もあります。

大学4年間で使用する学生証の写真にできる限り良い写真を使いたい気持ちは理解できますが、そうであれば、受験時も同じ髪型とメイクでお願いしたいところです


あと、注意して欲しいのは、近頃は写真を加工するのが当たり前になってますが、受験に使用する写真は無加工でお願いしたいです

加工しすぎて本人とは別人レベルになってしまったら、もう、試験監督者は対応に困ってしまいます。

替え玉受験の可能性アリと試験本部に報告すべきか、真剣に悩みます。



受験生には、なぜ、出願時に写真を提出するのか、よく考えてもらいたいと思います。


高校の先生方にも写真について強く指導してもらいたいです。


琉球大の事件では、監督者が着席ミスに気づけなかった原因が明記されていませんが、私は受験生が提出した写真に問題があったのでは?と想像します。続報に注目です。


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