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学会の高齢化

久しぶりのオンサイトの学会に参加してきました。
研究者同士で直接会って話すことはとてもワクワクしますし、会場内でバッタリ会って話し込むというシチュエーションもオンサイトならではです。
本当に刺激的な時間を過ごせました。

ところで、久しぶりの学会に参加してなんとなく気づいたのですが、学生やポスドクなどの若い人が少ない…
特に学生がすごく少ない。こんなに少なかったかなぁ…?
ちなみに、学会の参加者数はコロナ前とさほど変わらなかったそうです。
どうやら全体的に参加者の平均年齢が上昇していて、学会員の高齢化が進んでいるようです。

なぜこうなったかというと、この分野の研究室の大学院生が減ってきているため、学会に参加する若手が減ってきているからです。
それから、以前より定年年齢が伸びて、昔ならリタイアしていたであろう年齢の教授たちがまだまだ研究を続けていることも、研究者の平均年齢を押し上げている一因です。
でも、一番の原因は、若手の減少だと思います。

私の所属学会の分野は、今をときめく研究分野ではなく、どちらかというと、斜陽分野です。
かつてはこの学会は非常にホットな研究分野で、世界的にも有名な研究者を多数輩出していました。
しかし、今では老舗の学会ではあるけれど、かつてのような勢いはありません。

流行りの研究分野ではないため、研究室配属で学生に選ばれにくく、さらには世の中の大学院進学率の低下も相まって、若手が育ちにくい状況に陥っています。

そのため、この分野の助教の公募が出ても、応募者が少なかったり、応募者がまさかのゼロということもあるようです。
私が助教の公募に応募しまくっていた頃には考えられないような事態です。時代の流れとは言え、さびしいものです。

研究には流行り廃りがあり、流行りの研究分野には人もお金も集まります。流行りの研究は、すぐに社会に役に立ちそうだったりして、夢のような未来を感じさせますので、人気になるのも納得です。

そんな中で、斜陽分野の研究室を選んでくれて、しかも大学院に進学してくれた若手には感謝しかありません。
がんばって!と心からエールを送ります。


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