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名称がついていてもよさそうな現象②

こんにちは。
Level4です。

明らかに子供の頃より今の方が一日が短いと感じる今日この頃。
みなさんもそんな感覚を感じたことがあるかと思います。
気づいたらあっという間に1週間が過ぎ、1年が過ぎ、20代、30代がいつのまに終わってしまったというあの感じ。

そんな現象には実は名称が付いています。それは


ジャネーの法則

これはフランスの哲学者であるポール・ジャネ氏が提唱した、年齢と体感時間の関係性に関する法則です。
ジャネーさんは、「生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する」と提唱しており、年齢を重ねるにつれて「20歳なら20分の1」、「50歳なら50分1」と時間の感覚が短くなっていくと説明しています。


少し話がそれますが(本当にすごくそれるので飛ばしてください)、
ドイツの天才物理学者アルベルト・アインシュタインが相対性理論を発表したとき、あまりにも難解な理論であったために当時完全に理解できる人は極僅かだったそうで、彼は一般の人にも理解できるようにこう説明していました。

「Put your hand on a hot stove for a minute, and it seems like an hour. Sit with a pretty girl for an hour, and it seems like a minute.」
熱いストーブの上に1分間手を置いてみてください。きっとそれは1時間経ったように感じるでしょう。可愛い女の子と1時間一緒に座ってみてください。きっとそれは1分にしか感じないでしょう。

アインシュタインが発表した相対性理論とは、立場によって時間の進み方が異なるというものです。彼の話した例えが分かりやすいかどうかは別として、人によって時間の進み方が違うというのは物理学の世界にもあるのですね。

ジャネーの法則を数学的に説明できるか?


話を戻して、「ジャネーの法則」では、年齢を重ねるほど主観的に感じる時間の長さは短くなるというものですが、実は医学的になぜ年長者ほど時間が短く感じるのかは解明されておりません。しかし、明らかに幼少期と青年期、中年期、老年期と時間の進むスピードが違います。
なのでジャネーの法則を数学的に表してみようと思います。

法則を数学的に証明する手順は以下のとおりです。
1法則を数式に置き換える。
2数式をグラフにする。(縦軸を体感時間、横軸を年齢)
3縦と横から面積(各年齢の体感時間)を求める。
4100歳の時の面積を基準にする。
5時間の進み方がどう違うかを数字に表す。(100歳の時と◯◯歳の時とで比較)


まず定義から。
定義:「生涯のある時期における時間の心理的長さ(y)は年齢(x)の逆数に比例する。」

即ち時間の感じ方は年齢に反比例すると読み替えて以下のように数式にします。

y=1/x

ただしこれでは年齢(x)=0とすると数式が成り立ちません。(数学では0で割ってはいけないルールがあります。)
そのため、0歳を1として、

y=1/(x+1)

とします。
グラフで表すとこんな感じ。

y=1/(1+x) 、y>0

このグラフの見方は、縦が体感時間の長さ、横軸が年齢です。
年齢を重ねるにつれて、感じる時間が加速度的に小さくなる(=短くなる)ことが分かります。

色の付いている部分(面積)は、自分が体感する時間の総量となります。

ここで人生100年時代を生きる我々の体感時間の総量を計算してみましょう。

100歳まで生きると仮定した時、面積を求める式はこれ。

x=0〜100までを積分
∮1/(1+x)=log(x+1)



これを計算すると「2.004」です。
100歳の人が感じる人生の時間総量は約「2」と出てきました。
それでは20歳の人が感じる人生の時間総量はどれくらいになるのでしょうか。

これ。計算してみると「1.322」となりました。
20歳時点で人が感じる時間の総量は約「1.3」です。

100歳が感じる時間の総量に対する20歳が感じる時間の総量の割合は「0.660」となります。(1.322分の2.004)


結局どういうことかというと、
「20歳の時点で、既に人生の66%を過ごしている」ということです。
20歳までの経験がどれくらい重要なのかが分かる非常に興味深い結果になりました。
(計算ミスしてたらごめんなさい。)


ちなみに、「1歳」「10歳」「20歳」「30歳」「50歳」「70歳」「90歳」各時点での計算結果が次になります。

  年齢   体感時間の総量割合
  1歳      0.15
 10歳      0.52
 20歳      0.66
 30歳      0.74
 50歳      0.85
 70歳      0.92
 90歳      0.98

ここから分かるように、10歳の時点ですでに「0.52」。つまり人生折り返しに入っています。
10歳の時点で、すでに人生の半分を過ごしたと感じるくらい、子供の時間の進み方は遅いんですね。

この結果を見るとそりゃ明らかに子供より大人の方が一日が短いなと感じるはずです。

ただし

同じようなことを掲載しているブログも多いですが、おそらく10歳時点で既に人生の半分を過ごしているというのはさすがにおかしいと感じる人もいるかと思います。

実はその感覚は間違ってはいません。
なぜなら、前提となる定義「ジャネーの法則」そもそもが正しいとは限らないからです。

もっと正確な定義が提唱された時、また数学的に考えてみようと思います。

最後に

私は、サウナに入っているときの1分がリアルに10分くらいに感じます。

いやそういうことジャネー・・・。



...ということで、前回好評だった「名称がついていそうな現象」の続編でした。
他にも様々な現象がありますので、時間を見つけて投稿したいと思います。

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