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恐怖と神秘の「不気味の谷」を超える宇宙

不気味の谷」 をご存知でしょうか。
不気味の谷現象とは、人間に似せたロボットの外観や動作が人間らしくなるにつれて、好感や共感を覚えるが、ある時点で突然強い嫌悪感で「不気味」に感じるようになる現象です。


人間に似たヒューマノイドロボットって、映画などでは敵に描かれますよね。どこかで恐怖感があります。
なので最近のロボットは、なるべく人間寄せず、アニメキャラのような感じになってます。

人間の形に近い恐怖の象徴で、仮面もよく挙げられます。
伝統芸能である能楽の能面は、漫画などではホラーとして描かれたりします。
それだけ一般的にも恐怖に感じるのでしょう。
もともと幽玄な世界を描く能は、この世とあの世の交差を表現する演目も多いです。
前場(まえば)の前シテ(主人公)がかける女面などは、一般的な女性なのに、表情が読み取りにくく感じます。
ところで、「能面」のことを「おもて」と呼びます。「おもて」は「顔」です。歴史劇で「おもてをあげい」は「顔を上げてよい」意味です。
この能面を作る工程を見ると、ホントに1彫りの薄皮1枚で能面の印象が変わる繊細さです。
何百年も続いた技術が、アンドロイドロボットの数年のデザインでは、不気味の谷を越えるのは難しいのでしょう。
この繊細な能の演技は、約束事を超えた強い抑制でギリギリ攻めながら激しい感情を表現します。
おっと、今回は能の話ではありません。また別の機会に。


薄皮1枚で印象が変わる繊細さ。
逆に、3つの点だけで顔として認識する雑さ。
これぐらい私たちには恐怖と神秘は表裏一体な深淵さです。
神社の魅力のうちの1つ、鎮守の杜。
うっそうと生い茂る木々による暗闇の奥、引きずり込まれる闇です。突然に太陽の光が射すと神々しく感じます。驚愕です。
赤ちゃんがニヤリとするとチャッキーのように不気味です。次の瞬間ニコリとすると天使に化身します。絶妙です。


実はここからが本題なのです。宇宙人です。
宇宙人は一体どんな姿なのでしょう。
今まで地球人が描く宇宙人は、恐怖の不気味の象徴の姿か、タコ星人のような滑稽な格好です。

グレイの姿、やはりあの造形は地球人には怖いです。もう少しだけマイルドになっていただけないでしょうか。
アシュタールさんが有名になったのは、あの金髪イケメンのイラスト効果ですよね。あの顔イメージを持ったまま司令官ですなんて、アニメ心を刺激します。ところでシャア・アズナブルも、あの仮面の下のイケメンさが、不気味さからのギャップ萌えなんでしょう。おっとズレた。

宇宙人さん達は、どんな格好で私たちの前に現れるのでしょうか。
多分、実体は確固たるものでなく柔軟に多少変えられるんじゃないでしょうか。
だとしたら、地球の事情を考慮していただけると助かります。

イケメン過ぎる完璧美も、不気味の谷を超えた別の怖いものです。
ブサ可愛い、キモかわ、などと個性的な愛嬌があると愛するなどと、なんてわがままな地球人なのでしょう。
まだまだ私たちは権威主義なので、政治家っぽいと信用して、フリーターっぽいと信用しない、見てくれで左右しがちです。
かといって堅すぎず、柔らかすぎず、適度な愛嬌がありながら、神秘的な部分も失わず、そういう演出があると、不気味の谷を感じるワガママ地球人がすんなり受け入れやすいと思います。

めんどくせーなー地球人は」などと、引き返さないでくださいね。


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