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【小説】「L.A.Woman」を聞きながら合法LSDアナログを食べたら知覚の扉が開いた話

※本noteは、合法LSDアナログ「1D-AL-LAD」を題材にしたサイケデリック小説です。この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。また、本noteを読み始める前に、前作『なぜドラッグは「ダメ。ゼッタイ。」なのか考えてみた』を読了することを強くお勧めします。

“If the doors of perception were cleansed everything would appear to man as it is, Infinite. ”
(もし知覚の扉が浄化されるならば、全ての物は人間にとってありのままに現れる。無限に。)

― William Blake, The Marriage of Heaven and Hell

まるですべてが夢の中の出来事だったような気がしている。いや、いまも私はあそこに囚われていて、あの時の牢獄のなかで夢を見ているのかもしれない。そんな気すらしてくるのだ。

私がLSDアナログに興味を持ち始めたのは、昨年の10月頃から。自身の人生に何か行き詰まり感を感じていて、そこから抜け出すための衝撃が必要だと思ったのだ。その頃から、自身の内にある宗教的契機に気が付き始めていた。キリスト教神学や、仏教思想、老荘思想、そしてヒッピーカルチャーなどを学び、オルダス・ハクスリー『知覚の扉』や、中沢新一『チベットのモーツァルト』、デイヴィッド・ボーム『全体性と内蔵秩序』、中村元『原始仏典』、ルドルフシュタイナー『自由の哲学』など。様々な読書体験を狂ったように行い、思考の自己変革を試みていた。そうした流れの中に於いて、「最後のピース」として、実際に神秘的合一を、特殊な変性意識状態を、エクスタシー体験を、してみなければならない。そんな風に思ってた。


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