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創作BL小ネタ まとめ

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140字以内の小説の種の呟きです。
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記事一覧

来てほしくないなんて
思っていたからだろうか

便りだけ寄越したくせに
いつまでも
キミは来ない

まあ
それでもいいと
頬杖をつく
窓の外

一片の雪が花弁に見えた

私は待ち侘びているのだろうか

司書Y
2か月前
11

光が眩い冬の日
君と歩くいつもの散歩道が
別の場所のようだ

知っている?
そこは昨日まで
初夏に黄金の海になる芽が
身を寄せ合っていた場所だった

今、
彼らは白い闇の中
夢を見る
目覚めが来ないかもなんて
思いもしないのだろう

だから
きっと
目覚めは来るのだ

司書Y
3か月前
8

空を見ていただろうか?
今日の空を見て思う

涙を堪えるために
視線を上げても
見てはいなかった

市民センターの職員通用口を出て
呟く
ああ、キレイだ

空はいつでも変わらない
けれど、
鮮やかな色に
誘われて見上げた空は
いつもどおり

綺麗だった

司書Y
3か月前
8

イベント翌日
チョコレートの味は同じなのにね
なんだか、味気ない。
キミは
昨日のうちに食べてくれたかな?

バレンタインという魔法にかかった
甘い
甘い
ボクの
キモチ。

おいしかった。
よね?

司書Y
3か月前
8

ああ
また
あの日別れを告げた
君が来る

圧倒的な煌きと
匂い立つ風の香り
忙しないざわめきに
生き急ぐ彩り

ああ
また
あの日見送った
無遠慮な季節が来る

司書Y
3か月前
8

一人ではないから怖くない
たとえそばにいなくても
同じ空を見上げて歩く人がいてくれる
目指す場所がおなじなら
きっと、会える
だから
怖くない

一人ではないから怖い
たとえ隣にいてくれたとしても
いつかなくなるかもしれない
その日のことを考えてばかりで
怖い

司書Y
4か月前
8

君の唇から 細くのぼる白糸のような煙が 凍てついた冬の空気に溶ける やめたら? 体に悪いよ と、あの日見たナイトショーより 意味のない言葉も 冬の空に染み込んだ 本当は ただ ただ 視界に映していたかった 紫煙と共に世界に溶けた君を 想う そんな冬の空

春には過ぎていく季節に理由もなく焦燥感ばかりか募っていた。放っておいても、また、春は勝手にやってくるのに。
でも、秋は去っていく姿に焦ったりはしない。

何故だろう。

そうだ。
命を奥底に内包して、じっと耐えるその季節が。それを死の季節と呼ぼうとも。
愛おしいからだ。

司書Y
7か月前
11

萌える緑
灼けつく青

通り過ぎて
今は赤
やがて、白へ

もえつきた色へ

黒い季節を過ぎて
また来る萌える季節を待ちわびる

また来ると
あの人はいったけれど
それが本当だと盲目に信じる私は

来ない日を待っているのかもしれないと
本当は気づいていた

司書Y
7か月前
8

征ってしまった
あなたを見送り
つぎにくる
灼け付くような熱情に
すべてが
焦がされる

容赦なく
区別なく
慈悲なく

やがて
すべてを灼き尽くし
あなたも去っていくと

わたしは
知っています

司書Y
11か月前
7

キレイだ
かがやいてる
うつくしい

うらやましい
ねたましい
どうしてあなただけ

君はそういうけれど
それは
カガミにうつった
君だ

僕はただ
あの人に想われる
君が
うらやましい

司書Y
1年前
7

一歩進んでは
一歩さがる

あなたのいなくなった
昨日から目をそらしたくて
置き去りにしたくて

それでも
逃げられなくて
春は寂寞

それなのに
心折れて振り返ると
そこには
もう……

司書Y
1年前
5

来てしまった春は
立ちどまりはしない

今はゆっくりでも
きっとすぐに去っていく

だから
目覚めを謳歌する
だから
温もりを抱きしめる
だから
咲き誇る花を焼き付ける

けれど
無慈悲な昼は暇すら与えずに
連れ去ってしまう

だから
今日は
別れを覚悟する

司書Y
1年前
6

ようやく 来てくれたと思ったのに もう 行ってしまった? 僕はひとりで 動けないままなのに ズルいな いつか この世界が 緑に萌える日 そんな日が 来るかどうかはわからないけれど 僕もそっちへ 行ってもいいですか?