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【北米エンタメニュースまとめ】劇場版アニメが北米の映画館を救う?、マンガがドイツで人気に、SnapがWeb3のチームを解散

北米エンタメ市場のニュースなどのまとめです。皆様の視点を広げる助けになれば。感想も歓迎です。

業界ニュース

『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』、北米の映画市場で首位に

劇場版アニメの快進撃が続いています。Crunchyrollが手掛けた『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』の北米の映画館での上映は、8/21の週に首位となりました。全米の4000のスクリーンでスタートしたということなのでCrunchyrollの投資がうかがえます。こうした大規模公開は、すでにヒット作となった「鬼滅の刃」の劇場版のヒットと共通します。


トム・クルーズやニコール・キッドマンは忘れよ。アニメが映画館を救うかもしれない

https://www.washingtonpost.com/opinions/2022/09/02/crunchyroll-anime-movie-theaters-recovery/

こうした劇場版アニメのヒットを受けて、北米では「アニメが映画館を救うかもしれない」という意見が出てきています。こちらはそうした論調のワシントン・ポストの記事です。「呪術廻戦」「鬼滅の刃」などのヒット作を引用しながら、劇場版アニメが映画館を活性化させていることを指摘しています。背景にはアニメファンが情熱的で、一緒に映画館に来るのを好むという事情、ファンが映画館側に上映されれば売り上げにつながることを示しているという事情があるそうです。

Crunchyroll、『劇場版 呪術廻戦 0』などを配信へ

そのCrunchyrollですが、映画館で上映したあとも劇場版アニメを収益化につなげることに熱心です。すでに映画館で上映した『劇場版 呪術廻戦 0』について、今度は配信サービスに乗せるそうです。劇場で見た人が再度みることに加え、まだ見ていない人の開拓も見込めそうです。


ネットフリックス、日本テレビと提携 「Hunter×Hunter」などを配信へ

快進撃が続くCrunchyrollへの競合相手のひとつが、Netflixです。そのNetflixは日本テレビと提携し、「Hunter×Hunter」などを配信します。「ベルセルク」含め、いずれも英語圏で人気の高い作品などでどこまでNetflixの会員確保および維持を左右するのか気になるところです。


Ado「新時代」Apple Musicチャートで全世界1位に。日本の楽曲で初

そして次に期待される劇場版アニメは、映画『ONE PIECE FILM RED』です。この『ONE PIECE FILM RED』の主題歌と劇中歌を収録したアルバム『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』はすでに先行して海外進出しており、Apple Musicでこのアルバムに収録されている、Adoの「新時代」が、日本の楽曲として初めて世界で最も再生されている曲のデイリーチャート「トップ100:グローバル」の1位にランクインしました。実際に映画が公開されたあと、曲の人気がどこまで伸びるか楽しみです。

「BLEACH 千年血戦篇」NYCCで上映へ

10月に日本で放送が決まっている「BLEACH 千年血戦篇」。北米市場ではまだ放送などの予定が明らかになっていませんが、10月にニューヨークで予定されているコミコン、NYCCでプレミア上映が行われることが決まったようです。「BLEACH」は海外人気の高いIPのひとつなので、リアルタイムで見られないとなれば海外のファンの不満につながりそうですが。


ギャグ漫画『 黄金樹への道』連載開始! 『エルデンリング』のボスや重要キャラも登場

世界的な人気ゲーム「ELDEN RING」。このゲームをもとにした漫画作品『ELDEN RING 黄金樹への道』が、連載開始しました。特徴は英語・中国語繁体字など全11言語での配信。すでに英語版も出ています。

このあたりは集英社のジャンプ+の日本語・英語の同時配信の戦略に近いですね。もともとグローバルな人気が高いゲーム原作だからこそできるのかもしれません。


集英社、「MANGA Plus Creators by SHUEISHA」を立ち上げへ

そしてその集英社はさらに一歩先にいきます。すでに告知していたように、世界中から作品が投稿できるプラットフォームを立ち上げました。

すでに作品が投稿され始めていますが、絵柄や雰囲気が日本の投稿サイトとは違うものが投稿されています。ここから次の人気作が出てくるのかもと期待したいです。

マンガ、ドイツでますます人気に

この記事は北米市場におけるマンガやアニメ含むエンターテインメントの人気度合い、受け入れられ方をまとめています。しかし日本以外の市場で、日本の漫画やアニメの人気が高まっているのは北米だけではありません。人気が出ている国のひとつがドイツです。8月下旬には「Manga Day」と設け、720以上の書店がこの日をお祝いし、無料版のコミックスを配布するなどしました。北米はもちろん、欧州各国もまだまだ市場開拓の余地がありそうです。


Titan Comics、「Titan Manga」を立ち上げへ

北米の出版社、Titan Comicsは「Titan Manga」を立ち上げます。第一弾は、「ATOM: The Beginning」「仮面ライダークウガ」となかなか渋いのですが、新規参入があるということは北米市場でManga市場が盛り上がっている証左といえそうです。

テクノロジーニュース


NFTが人気ブランドの新たな収入源に ナイキの関連収益は250億円

取引がやや低調になってきたNFT。しかしそのNFTをいま活用している分野のひとつが、ブランド企業です。例えばナイキは、NFT関連の総収益は約250億円。ナイキ以外にもアディダスなどがNFT関連事業で収益をあげているそうです。日本企業にはまだなかなかNFT関連事業で大きな収益をあげている企業は少ないですが、海外のブランド企業に次ぐ収益拡大を目指してほしいです。


"Network State"ーみんながまだ知らないWeb3の未来とは?

https://note.com/yuyasan/n/na4c0f0e5128a

ではNFTを含むWeb3はどのような未来を実現するのか。そうした未来を考えるうえで参考になる書籍が最近公開されました。それが「Network State」。こちらの記事はその本の内容を解説したいい記事です。少し難しいのですが、「そもそもWeb3って何だろうか?」という疑問を抱えている方は一読すると少し疑問が解消されます。

米VC大手a16z、NFT知財利用に関する標準『悪になれない』を公開

米VCアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)の暗号資産投資部門「a16z Crypto」が、NFT向けのライセンス標準をオープンソースでリリースしました。NFTの所有権に関する曖昧さを是正し、業界発展をサポートすることを目的としているといいます。
もちろんVCの提案ですから、これがそのまますべての取引に適応されるようになるわけではありません。しかしスマートコントラクトが組まれているため、クリエイターは保護または許可したいIPに適したライセンスを選択して、自由にNFTに付加することができるようになります。

Snap、レイオフの動きの中でWeb3のチームを解散

こちらはややネガティブな動きです。NFT含むWeb3には相変わらずお金の流れが続いていますが、経済活動であるいじょう景気全体の流れの影響からは逃れられません。米国経済はいま、FEDの利上げの影響で成長速度が鈍化し、景気後退の懸念も指摘されています。これまで拡大が続いてきたIT企業も規模の見直しの中でレイオフをせざるをえません。そのひとつがSnapで、レイオフの動きの中で、Web3のチームを解散したそうです。
こうした動きはほかの企業にも広がるまだはっきりしません。こうしたところで経験を積んだ人材がほかの企業に合流するなどし、全体としては投資の動きの勢いが鈍らないといいのですが。

追加

この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。

https://note.com/lovebeer73/n/n9ba4dd6ee697

Webマンガ誌「booklistaSTUDIOweb」のスタートは面白いなと思いました。出版社が単行本の売り上げに依存するようになると同時に、アプリの登場でどうしても昔の「紙の雑誌文化」というのは「昔のもの」とされがちですが、新しいWebtoonというメディアが登場したことで「いろいろなものを比較して好みのものを見つけられる」という点で雑誌風メディアが復権してくるのかなーと思っています。というより読者としてはもう少し気軽にWebtoonを楽しめるプラットフォームがあると嬉しいです。

今週はここまで。引き続きよろしくお願いします。


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