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【北米エンタメニュースまとめ】新海作品に学ぶアニメ映画の海外展開、クランチロール代表インタビュー、TOPPANHDがなぜ英イベント会社を買うのか、ガムロードがアダルトコンテンツを禁止

日々の北米エンタメ市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も歓迎です。


米国グラフィックノベル市場、「チェンソーマン」「ドラゴンボール超」人気続く

毎月恒例の米国のグラフィックノベル売上ランキングです。アニメ効果で「チェンソーマン」が人気。そして「ドラゴンボール超」も根強い人気です。米国の大人向けグラフィックノベル市場は、新型コロナ禍の好調さの反動で伸びが鈍化するとみられますが、アニメとの相乗効果はまだまだ期待できそうです。


任天堂、『スーパーマリオ』の新たなアニメ映画の制作進行

任天堂攻めますね。好調だった映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」を受けてすでに映画版の第2弾の制作が進んでいることを発表しました。「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」はもちろんよかったのですが、マリオたちの冒険はまだまだ終わっていませんし、原作(?)を持つ任天堂がかかわっているということはいくらでもオリジナルストーリーを作れる。そしてまだ出ていない人気キャラクターもいる。強すぎる。それはそうとして、映画そのもののヒットはもちろんですが、それが「スーパーマリオ」というIPにどのようないい影響を与えたのかも知りたいところです。


新海作品に学ぶ、長編アニメーション映画の海外展開【TIFFCOM 2023レポート】

2023年10月に開催されたTIFFCOM 2023で行われたアニメ映画の海外展開に関するセミナーです。取り上げられたのは大ヒット作となった新海誠監督の展開です。『君の名は。』は日本でヒットしたことで、中国市場での上映が早まったとの見方が示されました。新海作品では『天気の子』がインドで公開されているのですが、これは一人のインド人の子供の署名からスタートしたとのこと。ちょうど国際交流基金のインドでの映画祭開催と重なったのもよかったようです。こういう成功例や戦略が共有されて、どんどん日本のアニメ映画が世界に出て行ってほしいです。


宮崎駿監督『君たちはどう生きるか』、配信サービス「Max」で配信へ

米アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』。米国では映画館で上映されましたが実はまだ配信されていません。ジブリ作品は日本では配信されておらず、日本・北米以外では、Netflixが配信しています。米国では21作品がワーナーメディアの「Max」で配信されており、「君たちはどう生きるか」もこのラインナップに加わることになるようです。

ちょっと話はずれますが、同じくアカデミー賞の視覚効果賞を受賞した「ゴジラ-1.0」も、北米での映画館上映が終わると、配信では見られないそうです。同じゴジラIPでは、「ゴジラVSコング」の公開が控えており、どうやら契約の問題で「同じゴジラIPから2作品は同時に上映できない」のではないかと一部の記事で指摘されています。

契約上はもったいないとはいえ、話題になった作品を見られないというのはもったいないですね。私は「ゴジラ-1.0」はやっと映画館で観たのですが、物語の展開も視覚効果面でもハリウッド映画が好きな人が好きそうだなと思いました。


TOPPANHDがなぜ英国のアニメイベント組織を買うのか?


北米からはずれるのですが、非常に勉強になり面白い記事でした。記事で指摘されているように、アニメや漫画に関連してファンとのタッチポイントという点でリアルのイベントは非常に重要な場所となりつつあります。フランスのJapan Expoが有名ですが、北米でもAnime ExpoやAnimeNYCなどが開かれています。この記事は、そんな日本文化発信イベントを手掛ける組織、英HYPER JAPANをTOPPANホールディングスが買収したというのもの。なぜTOPPANがイベント組織の買収に動いたのか、どこに商機を見出しているのかがまとまっています。ファンが楽しめる場所はいくらあってもいいですからね。ぜひHYPER JAPANさんのアニメイベントには、Japan Expoに匹敵する規模になっていただきたいです。


「クランチロールはレアなSVDO成功例」クランチロール代表インタビュー

Variety記者による、米アニメ配信会社クランチロール代表のインタビュー記事です。かなりたっぷりいろいろなことを聞いているので聞きがいあり。
・ソニーによる買収の結果、信頼性があがりコンテンツ調達にプラスになった。作品の映画館上映にも追い風
・インドへの参入。インドは日中を除き、米国に次ぐアニメファンがいる市場。ローカライズも前向き
・ファンとのタッチポイントを増やす。例えば「ワンパンマン」のゲーム配信や映画館上映など

配信にとどまらないビジネスの拡大は、面白いビジネスになりそうです。


プラットフォームのガムロード、アダルトコンテンツを禁止へ

音楽や動画、イラストなどさまざまなデジタルコンテンツを売買できるプラットフォームが規約を見直し、アダルトコンテンツの売買を今後禁止するというニュースです。日本でも規約の見直しなどで一部プラットフォームではアダルトコンテンツの取引が制限されているところがありますが、世界的に汎用的なプラットフォーム上でのアダルトコンテンツの取引は制限される方向にあるのでしょうか?この場合、日本のBLはどうなるのかすごく気になります。(海外のBL作品配信サイトで配信されているBL作品にはかなり過激な性表現もあるので)


VTuber事務所運営のカバー、米国拠点を開設

いま、各国のアニメイベントで存在感を高めているのがVTuberです。日本で多くのVTuberを抱える「ホロライブプロダクション」を運営するカバーが、初となる米国拠点を開設すると発表しました。VTuberは海を越えて人気になりつつあるコンテンツのひとつ。イベント企画などを行うそうで、ライブなどが増えそうです。


今週はここまでー。引き続きよろしくお願いします。


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