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『ストレスがよくない』と言われることがストレスなお年頃

今年も始まった花粉皮膚炎

 2月中旬、仕事で山に登った。天気は良くて朝から空気がひんやりして気持ちいい。てっぺんから見えたのはすごく見晴らしのいい町並みで、それなりに心が震えた。事務所へ戻ると、寒い中歩き続けたからか自分の椅子に座った瞬間に疲れがどっとでてきた。加えて山にいる間からずっと首がかゆかった。鏡で見ると真っ赤になっていた。知らないうちにかきむしっていたみたいだ。
 元々アトピーのある自分は『花粉が始まったのか』と腑に落ちるとともに首以外の節々が痒くなってきた。こういう時期に限ってジェルネイルを落としていたので爪の攻撃力がすごい。みるみるうちに肩と肘の内側は炎症が起きた。顔も痒くて頬のあたりからこめかみ、眉間のあたりが真っ赤になっていた。

急な出張が重なる

 翌々日、急遽体調を崩した上司の代理で東京へ出張になった。夜のセミナーに出て一泊して帰ってくるスケジュール。セミナーが終わりホテルに戻るともう23時だった。そこから慣れないシャワールームで身体を洗い、外泊用の化粧品を使う。夜遅い東京は未だ寒くて、すぐに暖かいお湯が出るシャワーで温まった。相変わらず顔の赤みは酷くって、疲れたのと出張ハイだったからか缶ビールを2本飲み、寝る頃には顔の皮むけも出てきた。翌朝は赤みを隠すようにファンデーションを塗ってマスクをした。
 昼過ぎに事務所へ戻ると顔の赤みが更に酷くなっていた。きっと山登りからの急な出張で疲れもあるのだろう、と早めに退勤させてもらい、皮膚科へ向かった。赤みと肌の凸凹、皮むけが顔全体に出てきて、吹き出物がいくつもできていた。

皮膚科に駆け込み

 駆け込み寺的にお世話になっている皮膚科へ行くと、ヒルドイド2種、抗ヒスタミン内服薬を3種類、ステロイド外用剤を2種類(手用・身体用)とかゆみ止め(身体用)、抗炎症剤(顔用)ニキビの塗り薬。皮膚科オールスターズを処方された。
 この抗ヒスタミン内服薬×3種が酷い時にはいつも処方されるのだが、猛烈な眠気が起こるのだ。「副作用:眠気」×3である。先生からは花粉や季節の変わり目、それに山にいると樹のエキス的なものがいろいろと飛んでいるとのことだった。
 だが猛烈な眠気の代わりに劇的に効くのでそれを期待して家に帰り、その晩から服用し始めた。翌土曜日は日中の6割がたは寝ていたように思う。食事の度に猛烈な眠気。こまめに抗炎症剤を顔に塗って過ごした。このタイミングで買い置きのマスクがなくなった。

経過

 しかし1週間経っても全然回復しない。むしろ顔の赤みに凹凸がもりもりと出てきて、吹き出物も相変わらずだ。皮むけも全体的に出てまぶたが開けずらい。朝晩の洗顔とお風呂の水がしみて痛い。
 だんだん自分のことが嫌いになってきて、猛烈に眠い思いをして薬を飲んでいるのにも関わらず顔は一向に良くならなかった。むしろ、飲まなかったらもっと今以上に酷かったのかもしれないと落ち込んだ。
 でも顔にはステロイドは塗っちゃダメ、という先生の言葉を信じて顔用の抗炎症剤を塗る。ステロイドを塗ってもいいと言われた身体は治って綺麗になった。だんだん髪の毛が顔に触ることも煩わしくなって髪を全部まとめたり、スキンケアを刺激の少ないものにして守りに入った。若干よくなったような気もしたけど、まだまだ赤みは引かない。顔全体が真っ赤だった。

 次の週から無理にでも11時には寝る!!と宣言して早寝をするようになった。ほんの少し良くなった気がしたが、劇的に変わることはなかった。

ベビーオイル洗顔をやってみる

早寝週間の半ば、クレンジングをやめてみた。
 Twitterで拝見したベビーオイルを使ったクレンジングで皮膚潜在菌を落としにくい状態にする方法で、これが劇的に効いた。
1日目で肌の赤みがかなり引き、2日目にはターンオーバーできていない皮むけの皮膚だけが乗っているような状態になった。毛穴がふっくらしてきた。3日目にはかぶれのような炎症はだいたい収まり、いくつか残った吹き出物のケアをするくらいで済んだ。飲み薬を飲み終わったが大きなコンディションの崩れはない。4日目は休みだったこともあり濃いめのメイクをしたが、こちらもきちんと落ちた。
 嬉しかったのは今まですぐに化粧を落としたくてもクレンジング→乳化→洗顔→保湿・基礎化粧の流れが大仰で、どうせ後からお風呂に入るのだからまあいいか、と後回しになるのが解消された点だった。
 家に帰ったらすぐに顔についた花粉やほこりをクレンジングができる。そのあとにくつろいでからお風呂に入ることができる。特に土日は早めに帰宅してもう外出をしないと決めた時点でクレンジングができる。やはり肌の負担が違うし、だんだん毎日のクレンジングが楽しみになってきた。
 5日目。今日から平日ということでいつもより調子のいい肌に日焼け止めと薄づきのクッションファンデーションで整えて出勤した。今日は天気もよく花粉がすごいからか前髪が当たる眉間は痒みが出るが、先週よりは断然いい。

これから

 まだ続けて1週間。今のところ特段問題はなく過ごせているが、脂っぽい時は少しだけ洗顔を乗せることもあったり調節しながら様子見をしている。だがこの数年で自分の中で軸になっている考え方が「効果の大きいところから対策する」ということだ。基礎代謝を挙げるために大きな筋肉を鍛える、寒いから窓を防寒仕様にする、あれこれ化粧品を使うよりそもそも備わっているバリア機能を強化できる環境に整える。引き算の方が効果が大きいこともあるし、大局を見極めることが大事なんだなと今回心底感じた。

アトピーとの付き合いについて

 赤ちゃんの頃にアトピーを発症し、小学校に上がるころには落ち着いていた。その後中学生頃から再発をして背中や関節、足の付け根などには今でも色素沈着が残っている。なんとか顔だけは死守したいと大人になるにつれてスキンケアや食事、運動に気を使ったりといろいろやってきた。そんな中、ここ数年は結構楽になってきていた。ひとつ思い当たるのはやっぱり主人と付き合い始めた頃かなと思う。ひび割れの酷い脛とかも(ドン引きしたやろうけど)心配してくれて、調子がいい時は喜んでくれて、精神的に安心できた。感謝しかない。あとこれ書いてて泣けてきた。

今すぐ図太くなれるわけじゃない

 よく、ストレスはよくないと言われることがある。『〇〇に対しての原因はストレスです』と。でも、そう言われることがストレスになる人もいるし、ストレスをなくさなければ!!とストレスを感じてしまう性格もある。じゃあストレスを感じないように図太くなれるかと言われても、なれるものでもない。でも心から心配してくれる人がいるという安心感は、ストレスを和らげてくれているように思う。自分が受けた優しさを忘れずに、周りにもそうできるような人になれたらいいな、そう努力しようと思える今回の花粉皮膚炎一連だった。

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